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政府/21年度文化功労者に谷口吉生氏選定/代表作に葛西臨海水族園など  [2021年10月27日1面]

文化功労者に選ばれた谷口吉生氏(撮影・Timothy Greenfield-Sanders)

谷口氏が設計を手掛けた葛西臨海水族園

 政府は26日、文化の向上や発展で顕著な功績を残した個人をたたえる2021年度の文化功労者として、建築家で日本芸術院会員の谷口吉生氏(谷口建築設計研究所所長)らを選んだ。モダニズム建築を提示し続けた谷口氏は、流行に左右されないシンプルな建築作品を世に送り出した。代表作は東京都が利活用を検討している都立葛西臨海水族園(江戸川区、1989年竣工)など。11月4日に東京都内のホテルで顕彰式を行う予定だ。
 谷口氏は1937年東京生まれ。建築家で戦前から戦後にかけてモダニズム建築をけん引した吉郎氏の長男。60年に慶応大学工学部機械工学科を卒業した後、米ハーバード大学大学院で建築を学んだ。丹下健三都市・建築設計研究所(現丹下都市建築設計)を経て独立。79年に谷口建築設計研究所を設立した。金沢市立玉川図書館(金沢市、78年)を皮切りに、土門拳記念館(山形県酒田市、83年)などで頭角を現した。
 自己主張を抑えたシンプルな作風で知られる。光の採り入れ方や空間のボリューム対比、周辺環境への調和などを緻密に計算しながら建物を配置。独自の建築スタイルは海外でも高く評価され、米ニューヨーク近代美術館増改築(2004年)の国際設計コンペで当選した。日本建築学会賞や高松宮殿下記念世界文化賞などを受賞。長年の功績が評価され11年に旭日中綬章を受章した。
 文化功労者の決定を受け谷口氏は「建築は多くの方々の協力によって完成する。この場をお借りして協力いただいた方々に心から御礼申し上げる」とコメントした。

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