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新社長/インフロニア・ホールディングス・岐部一誠氏/高収益な経営基盤を確立   [2021年11月11日1面]

岐部一誠氏

 前田建設と前田道路、前田製作所の3社が10月1日に立ち上げた共同持ち株会社のインフロニア・ホールディングス(HD)は、コンセッション(公共施設等運営権)を含む公共インフラの官民連携市場の成長を見据え、インフラ運営を中心とした分野で高収益、安定的な経営基盤の確立を目指す。新たな体制でDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを推し進め、シナジー(相乗効果)を最大限に発揮していく。
 --就任の抱負を。
 「建設業としてインフラに関われる領域が広がっているのを感じている。建設業が請負にとどまらずに仕事ができる世界を実現していきたい。インフラや再生可能エネルギーなどに投資をして工事をするだけでなく、管理運営で成果を出しながら市場を広げていきたい。セカンダリーマーケットの動向を見ながら事業が安定した段階でイグジット(売却)することも一つの戦略に考えている」
 「世界的にカーボンニュートラルの動きが加速しており、再エネなどの開発機運が高まっている。前田建設では10年以上前からインフラ運営分野の取り組みを進めてきたので当社には追い風だ。当社だけがもうかる仕組みはサステナブル(持続可能)なやり方ではなく、一方でボランティアであってもいけない。インフラ運営でサービスの質を高め、コストも下がり、当社もリターンを得る『三方良し』を目指す」。
 --インフラ運営で期待する分野は。
 「さまざまな分野がある中で、リスクとリターンのバランスを考えることが大事だ。例えば空港はパンデミック(世界的大流行)やインバウンド(訪日外国人旅行者)による影響を大きく受けてしまうためハイリスクだ。一方で上下水や道路など、より市民の生活に近いインフラは外部ファクターによらないため安定している。これらのインフラはマーケットでは事業価値が高く評価され、伸びていくとみている」
 --HD化の狙いは。
 「3社は全国に多くの経営資源を持つ。この経営資源を活用して官民連携を拡大していくこと、DXのような1社ではコストが高くなってしまう取り組みでコストを下げて加速させていくこと、この二つがHDの重要な役割になる」
 「HD化に当たり人事制度も見直していく。その年にHDが出した付加価値は賞与として社員に還元し、業績に応じて報酬が上がるようにする。前田建設は3年前に年功序列の廃止や相対評価の採用など、人事制度を見直した。利益が出たら賞与が上がる仕組みになっており、他の2社にも導入していきたい」。
 (10月1日就任)
 (きべ・かずなり)1986年熊本大学工学部土木工学科卒、前田建設入社。2010年執行役員土木事業本部副本部長兼経営企画担当、14年常務執行役員、20年取締役兼専務執行役員経営革新本部長、21年取締役兼専務執行役員CSV戦略担当技術・情報統括。長崎県出身、60歳。趣味は読書で、哲学から人類学まで幅広く読む。

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