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セメント大手4社/21年4~9月期決算、全社が減収営業減益/原材料上昇など重荷に  [2021年11月12日3面]

セメント大手4社の21年4~9月期連結決算セメント部門の業績

 セメント関連大手4社(太平洋セメント、三菱マテリアル、住友大阪セメント、宇部興産)の2021年4~9月期決算が11日に出そろった。首都圏の再開発工事などで民需が増加したものの災害復興需要が収束した反動などで、セメント部門の業績は全社が減収営業減益となった。原材料価格の高騰を背景に下期も厳しい状況が続くとみられ、各社はセメント販売価格の引き上げを打ち出している。顧客の理解を得つつ業績回復を狙う。
 セメント部門の売上高は最大手の太平洋セメントが2253億円(26・2%減)、三菱マテリアルは1010億円(4・5%減)となった。「建設労働者不足による工程遅延や工期の長期化、荒天の影響で需要が低調に推移した」(太平洋セメント)という。各社とも収益認識の会計基準などの適用で売り上げと仕入れの両建て計上が無くなり、見かけ上、売上高が減少している側面もある。
 本業のもうけを示す営業利益は全社が減益となった。住友大阪セメントは前年同期比73・7%減、宇部興産も同63・8%減と前年同期を大幅に下回った。宇部興産は「下期の想定よりも(原燃料の)価格が上昇している」と指摘する。
 通期の見通しは全社が減収営業減益を見込む。住友大阪セメントは3億円の営業損失を予想する。石炭や燃料などのエネルギー価格の上昇が要因という。宇部興産の営業利益は前年度比59・3%減を見込む。三菱マテリアルとの事業統合に伴う準備費用増など持分法投資損益の悪化が大きく影響しているという。
 下期に向けては「新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し設備投資や住宅投資が抑制される可能性がある」(太平洋セメント)と、セメント需要の下振れを懸念する向きがある。石炭価格の高騰による製造コストの上昇も不安要素になる。
 米国では労働市場の逼迫(ひっぱく)でドライバーが不足し、需要があるにもかかわらず、思うように出荷が伸びない可能性もある。「米国で収益が出なければわれわれの業績もアップしない」(三菱マテリアル)との声も上がる。

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