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日本工営/樹種の比重差を流木捕捉工の設計に活用/防災減災に貢献  [2021年11月25日3面]

 日本工営が水害発生時に河川に流れ込んだ樹木の対策として「流木捕捉工」設計提案に注力している。比重の違う針葉樹と広葉樹は水流に応じ、河道をふさいだり下流域に位置する建物に衝突したりと、複合災害の原因にもなる。地域の植生に応じ流木を捕捉する鋼管の間隔を現行基準よりも狭めるなど、樹種に合った捕捉工を提案し防災・減災に貢献する。
 流木捕捉工は複数の鋼管を横方向に設置した河川構造物で、主に山間部で発生した流木を捉える効果がある。河川周辺に自生する樹木の中で、比重の小さい針葉樹は水流の影響を受けながら漂流する。沈みやすい広葉樹はほぼ直進しながら下流域に漂着する。比重差がある複数の樹種と土砂が混在した状態では、さらに下流へと流れ込む危険性がある。
 同社は水路模型(延長10メートル・幅20センチ)を利用した実験を実施。ピーク流量が1秒当たり25立方メートル、流域面積1平方キロの河川を想定し▽広葉樹のみ▽針葉樹のみ▽広葉樹と針葉樹の混合-の3パターンで検証した。この結果、漂流にばらつきがある針葉樹は河道を閉塞(へいそく)すると分析。一方、広葉樹は流木を捕捉する鋼管をすり抜けて流れるという。
 比重差を評価する技術は特許を取得済み。同社は水路実験で得た成果を樹種に応じた流木捕捉工の設計業務に生かす。水に浮きやすい針葉樹が多く自生する河川周辺では現行基準を採用する。広葉樹が繁茂するエリアの場合は「流木の長さに対して4分の1倍以下の鋼管間隔にする」(中央研究所)など現行基準よりも狭い間隔にした捕捉工を提案する考え。

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