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新社長/日本コンクリート工業・塚本博氏/環境に貢献する企業へ  [2021年12月15日1面]

塚本博氏

 コンクリート製品のメーカーとして、主力のパイルやポールで市場拡大を狙う。防災・減災に貢献するため自立式壁体など土木製品の全国展開を目指す。脱炭素化で注目される二酸化炭素(CO2)の固定化製品、技術で研究開発や市場開拓に注力。設備投資で供給体制を整える。
 --経営戦略は。
 「当社は内需型産業だ。基礎やポール、土木製品は爆発的に広がる市場ではないが確実に大きくしていく。基礎事業は競争が激しく、試行錯誤しているのが現状だ。ポール関連事業は車両運搬の規制で長尺物を分割するニーズがあるので注力する。携帯電話の基地局整備に関連し、需要のある5G(第5世代通信規格)対応に積極的に協力したい。土木製品事業は省力化に関連しプレキャスト(PCa)の需要が増えている。好機と捉え土留め擁壁などに使う自立式壁体を全国展開し、防災・減災の一端を担っていく」
 「原材料費の上昇で製品価格の維持は難しい状況だ。ポール、パイルともに鋼材を使っており影響が特に大きい。これまではコストダウンで対応してきたが限界に近い。販売価格への転嫁は避けられず、顧客にしっかりと説明し納得してもらう必要がある」
 --環境での取り組みは。
 「2021年度から3カ年の中期経営計画で、当社が100周年を迎える48年までにカーボンの排出量ゼロを目指すことを掲げた。CO2削減や環境事業で存在感を高めたい。コンクリート製品の製造過程で出るセメントを含んだ余剰水にCO2を混ぜ、炭酸カルシウムにしたCO2固定化製品『エコタンカル』を、10年以上前から研究開発してきた。JISを取得し、同製品を使ったコンクリートパイルを22年に販売したい。性能を維持しつつCO2が削減できる製品だ。エコタンカルの供給量が足りないため製造設備を増強する。まずはパイルから市場投入し、需給バランスを見ながら、対象製品を拡大したい。カーボンニュートラルに貢献できる商品であり、顧客に価値を認めてもらえるようPRする。大手ゼネコンとの共同研究も進める」
 --今後の展望は。
 「現状維持で満足すると結果的に衰退してしまう。会社を持続的に成長させながら、社員がより働きやすい環境をつくりたい。自社のコーポレートガバナンス(企業統治)の面でもしっかりと統制をとっていく。リスクを考えながら海外にも展開する方向だ。ミャンマーが電化率を上げる施策を始めており、貢献しようとポール工場を作り、地域の方を雇用している。現在は先が読めない難しい状況だが、状況が改善したらすぐに動けるよう、安全を最優先にしつつ準備している」。
 (6月29日就任)
 (つかもと・ひろし)1988年茨城大学工学部建設工学科卒、日本コンクリート工業入社。2015年執行役員生産管理部長、20年取締役兼専務執行役員。趣味は家庭菜園。周囲に対する感謝の気持ちを大切にしている。「協力的で良い人材が多い。今の雰囲気を大事にしたい」とコミュニケーション重視で社員と接する。栃木県出身、56歳。

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