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新社長/長大・野本昌弘氏/地方コンサルのM&A視野  [2021年12月21日1面]

野本昌弘氏

 国土強靱化への対応や官民連携事業に照準を合わせ、収益拡大を目指す。地方の建設コンサルタントと連携を深化し、より強固な受注体制を築く。将来的な国内市場の縮小に備え、海外受注の強化で一段とアクセルを踏み込む。売上高に占める海外比率を2030年に2割まで引き上げる戦略を掲げる。
 --足元の状況は。
 「10月1日付で発足した純粋持ち株会社『人・夢・技術グループ』の副社長も務めており、責任の重さを感じている。事業会社のリーディングカンパニーとしてグループの成長をけん引したい。自然災害が頻発し建設コンサルが果たす役割も大きくなっている。有事に備えてグループ各社に横串を通し、リーダーシップを発揮する」
 「国土強靱化の加速化対策が2年目を迎え、5年先までは安定受注が期待できる。だが超高齢化社会に伴い、社会保障などに予算が充当されれば公共事業は厳しさが増すだろう。当社の受注業務は国の直轄業務が多く、発注機関が偏っている。局所から全国へ広げるため、地方で活動する建設コンサルとの業務提携やM&A(企業合併・買収)も視野に入れる。高度な技術力を持つ当社が後方支援し激甚災害に対応する」
 --注力分野は。
 「道路や橋梁で培ってきた技術力は当社の強みだ。一方河川分野などには課題がある。災害対応は河川にも関係してくるので、人材確保・育成に注力する。民間部門は直近10年で再生可能エネルギーやPPP/PFIなどに力を入れてきたがまだ不十分だ。山梨、長野両県でバイオマス発電事業を展開している。事業が軌道に乗れば発電所の運営・維持管理(O&M)やPPP/PFIの専業会社の設置も考えていく」
 --海外の受注拡大にどう取り組む。
 「新型コロナウイルスの影響はあるが、国内縮小を予想すると海外を伸ばす必要がある。東南アジアやアフリカは、当社が得意とする橋や道路などのインフラ需要が旺盛だ。現地法人で積極的に人材を採用したり、年明けに株式の一部を取得するフィリピンの人材派遣会社を活用したりして人材不足を補う。コロナ禍で導入が進んだITツールを使い、日本から業務が支援できる体制を整備する。国内で展開している再エネ事業も加速し、収益源を多角化する」
 --働き方改革も急務だ。
 「当社で活躍する女性技術者は依然少数だ。出産や育児、介護などと両立できるよう社内規定も完備している。女性が活躍できる職場環境の創出に力を入れる。より柔軟な働き方を実践してもらい、女性比率を2~3割まで高めていきたい」。
 (12月21日就任予定)
 (のもと・まさひろ)1983年金沢大学工学部建設工学科卒、長大橋設計センター(現長大)入社。2010年取締役、14年常務、18年専務。大阪府出身、62歳。趣味は海釣りと草野球。ワインもたしなむ。好きな言葉は「満足より上に感動がある」。達成感の先に得られる感動を心の支えにし、社業発展にまい進する。

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