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復興道路・復興支援道路が全線開通/10年で復興の象徴が完成/信頼性高い交通網構築  [2021年12月21日6面]

あいさつする斉藤鉄夫国交相

テープカット

 東日本大震災のリーディングプロジェクトとして国が中心となって整備を進めてきた復興道路・復興支援道路の総延長570キロが18日に全線開通した。太平洋沿いを縦断する三陸沿岸道路(青森県八戸市~仙台市、359キロ)と、内陸の東北自動車道を結ぶ道路が完成。東北エリアの縦軸と横軸で自動車による高速移動が可能になり、産業や観光の振興、物流の効率化、災害発生時の対応などに大きな効果が期待できる。=1面参照
 岩手県久慈市市民体育館で行われた式典には斉藤鉄夫国土交通相、西銘恒三郎復興相、鈴木俊一財務相、佐藤信秋参院議員、大島理森三陸地区国道協議会顧問、達増拓也岩手県知事と岩手県内沿岸部沿線の市町村長ら約90人が出席した。
 斉藤国交相は「日本有数の漁獲高を誇る海産物が三陸道から新鮮な状態で全国に届けることができる。地域産業の活性化や産業振興、救命救急活動など生活や経済を支える復興を力強く支援するものだ」と述べた。達増知事は「縦軸、横軸の新たな高規格道路ネットワークが構築された。沿岸と内陸が一つになった岩手県が全国と世界につながる歴史的な出来事だ」と語った。
 関係者によるテープカットとくす玉開きが行われた後、久慈ICから走り初めをした。復興道路の最後の完成区間となった普代~久慈IC間(延長25キロ)には、橋梁14橋、トンネル8本と、四つのIC(久慈、久慈南、久慈宇部、野田)を新設。構造物が全体の4割を占める。
 三陸沿岸道路と接続するのは▽宮古盛岡横断道路(岩手県宮古市~盛岡市、66キロ)▽東北横断自動車道釜石秋田線(岩手県釜石市~花巻市、80キロ)▽みやぎ県北高速幹線道路(宮城県登米市~栗原市、24キロ)▽東北中央自動車道(福島県相馬市~福島市、45キロ)-の4路線。
 復興道路・復興支援道路は2011年11月に事業化された18区間、224キロが10年で全線完成するという異例のスピードを成し遂げた。新たな事業マネジメント手法と注目された「事業促進PPP」をはじめ、三陸沿岸道路のルートは津波浸水域を95%回避したほか、コンパクトな形状のICにより低コストの実現だけでなく、弾力的な配置で復興まちづくりを支援。災害時には避難場所となるよう避難階段も設置した。
 既に開通している区間では大きな相乗効果も発揮。気仙沼漁港から仙台までが55分短縮され、新鮮な水産品を全国に届けることができるようになったほか、新たな商品開発やブランド化などの取り組みにも結びついている。IC近隣には水産加工施設や荷さばきターミナルが集積。釜石港のコンテナ貨物取り扱い量も大幅に増えた。所要時間の短縮は周遊観光エリアの拡大や震災伝承ツアーの充実を支援している。

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