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九州整備局/ゲームエンジンで3Dモデル作成/日本工営と新手法開発  [2022年1月5日13面]

ゲームエンジンを用いた3Dモデル〈上〉と現況の比較も可能(九州整備局提供)

 九州地方整備局は、ゲームエンジンを取り込んだインフラ整備の設計手法を開発した。河川整備を念頭に開発した新たな手法を用いて、低コストでリアルな3Dモデルを作成できる。第1弾として、山国川(福岡県吉富町)で行う「かわまちづくり」の合意形成に利用した。新手法は一般に公開し、インフラ整備に向けて行われる建設コンサルタント業務などで活用できるようにする。
 日本工営と共同で開発した手法は、土木研究所が主導し2021年7月に公表された「河川CIM標準化案」の一部となる。
 各種産業で利用が広がっているゲームエンジン「Unreal Engine」を取り込み、インフラ整備に向けたデジタルデータと変換させる仕組みを考案した。これによりVR(仮想現実)も用いながら、インフラ整備を行う前に整備後のイメージを3Dモデルでリアルに表現できるようにした。
 インフラ整備を行う際、地域住民との合意形成では、整備イメージを説明するのにパースや模型を使うことが一般的となっている。BIM・CIMの取り組みの中で測量、設計、施工などに一貫して用いるデジタルデータを合意形成にも利用できれば、いったんアナログに戻すことになる模型作成などに要するコストや手間を削減し、生産性が向上する効果が期待できる。
 山国川では、河川と周辺環境を自治体とも協力しながら一体で整備する計画。合意形成に向けて新手法を用いた3Dモデルを作成し、周辺環境との調和や太陽光の当たり具合などもリアルに表現できるようにした。橋下に設ける予定のドッグランなど、住民が期待する施設がどのように整備されるかも分かりやすく提示した。
 昨年12月16日に実施した合意形成の場では、参加した住民らがヘッドセットを装着し、仮想空間の中で整備後のイメージを体験してもらうなどの取り組みが好評だったという。
 九州整備局では、新しいBIM・CIM技術となるよう、新手法を誰でも使えるよう一般公開する予定だ。
 河川整備に限らず「各種インフラ整備の合意形成に積極的に活用できるようにしたい」(企画部インフラDX推進室)としている。

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