技術・商品

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

清水建設/パソコンで3次元波動解析/音の伝搬、短時間で高精度に分析  [2014年12月3日3面]

細かく解析する領域を音の伝搬に追随してシフトさせる

 清水建設は、波動理論に基づく高精度な音の伝搬分析をパソコンで処理できる「3次元波動シミュレーションシステム」を実用化した。細かく解析する領域を音の伝搬に追随してシフトさせる新手法によって、音が伝搬している領域とそうでない領域とを区分して解析精度(細・粗)を変え、計算に必要なメモリーと時間を従来の5分の1程度に軽減・短縮する。スーパーコンピューターが必要だった解析がパソコンで行えるようになる。工場、住宅、道路の騒音対策提案などに生かす。
 音の伝搬特性を忠実に再現し、過不足のない最適な対策を立案するには、スーパーコンピューターを用いた波動理論に基づく解析手法が用いられる。ただ、費用や準備期間などの問題もあって手軽には使えない。そこで同社は、処理するデータ量を抑え、パソコンで高精度な伝搬分析を行えるシステムの確立を目指し開発に取り組んだ。
 新システムは、波動理論解析を簡素化してデータ処理量を抑制する発想で実現した。音の伝搬に合わせて計画メッシュの大きさを自動調整。音が伝わっている領域は高精度に、波が通過または到達していない領域は精度を落として解析する。開発には、音場解析が専門の大久保寛首都大学東京准教授の技術指導を受けた。解析手順は、まず音源周辺の地形や構造物、騒音対策を反映した3次元モデルを構築した後、騒音源の情報を入力する。音の伝搬特性を忠実に反映した高精度な解析・予測をアニメーション表示でき、騒音対策の効果を視覚的に把握できる。
 音の伝搬解析は、劇場の音響設計や生産施設の騒音対策、集合住宅の交通騒音対策などを立案する際などに行われる。中でも生産施設の騒音対策は200~300メートル四方の広範囲に及び、騒音の伝搬解析には膨大なデータ処理が必要になるため、波動理論の適用が最も難しいとされていた。
 パソコンを使って音の伝搬を簡易に予想する手法としては、波紋を描きながら伝搬する音を、音源から四方八方に直線的に広がる光線に例えるエネルギー理論に基づく解析方法もある。ただこの手法では、音の波動性に起因する干渉や共鳴、音源を取り巻く複雑な地形や構造物の影響などを再現できない欠点がある。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

インフラ・ビジネス最前線―ODAの戦略的活用
 途上国や新興国で日本の民間企業が行うイ...続きを読む
建設業で本当にあった59話の心温まる物語
およそ500万人が働く建設業界。それぞれ...続きを読む
作業現場が危ない?!熱中症予防・対策マニュアル
熱中症は、早期の対処で重症化を防げる疾患...続きを読む
中小企業の事業性を向上させる税理士の経営支援
身近な専門家である税理士の支援を受け、中...続きを読む
DVD 道路工事の労働災害・公衆災害
安全教育用DVD「つくる!安全現場の一年...続きを読む