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鹿島/トンネル発破、周辺環境への影響最小限に/起爆秒時間隔を任意設定  [2014年12月3日3面]

eDevⅡを導入した安永川トンネルの切り羽

 鹿島は2日、トンネル工事の発破掘削で、周辺環境への影響を最小限にとどめる高度な制御発破手法を確立したと発表した。火薬を詰めた孔ごとに起爆までの時間(秒時間隔)を任意に設定できる電子雷管を用いる。秒時間隔を狭め、発破の継続時間を短くすることが可能で、振動や騒音による体感的な不快感を低減することにつながる。住宅地に近接した2現場に導入した結果、振動・騒音の少ない発破掘削を実現できたという。
 使用する電子雷管「eDevII」は、産業用爆薬メーカーのオリカジャパン製。従来の電子雷管は、標準的な秒時間隔が1000分の30秒に固定されている。eDevIIは、切り羽に応じて1000分の1秒単位で設定でき、誤差プラスマイナス0・01%と精度も高い。
 愛知県豊田市で施工中の排水路トンネル「一級河川安永川トンネル新設工事(平和・秋葉工区)」(延長約1・8キロ)では、土かぶりが20メートル未満と小さく、地上住宅地への振動を低減する目的で導入した。その結果、先行起爆孔と後続起爆孔の振動波形が重なり合うことによる振動の増幅を回避しながら、それぞれの起爆秒時間隔を可能な限り小さくすることで発破継続時間を短縮。振動値と振動体感をいずれも抑制することに成功した。
 一方、大阪府箕面市に建設している「新名神高速道路箕面トンネル西工事」(上下線延長各約3キロ)は、工事ヤード外の住宅地での低周波音圧レベルを、従来の雷管と比較し4~5デシベル低減することができた。高周波数帯に対し効果が高いとされる防音扉や防音壁による発破騒音の減衰効果を向上させることも確認した。
 eDevIIの国内での本格適用は鹿島が初めて。発破の順序や秒時間隔を現場で正確に制御・修正でき、計測した振動などのデータを次回の発破にフィードバックできるのも特徴で、データやノウハウの蓄積を継続し、市街地の山岳トンネル工事で積極活用していく。掘削時の余掘りの低減や長孔発破への応用も検討していく。
 近年の山岳トンネル工事は、市街地や民家に近接した環境下で施工するケースが増えている。掘削に伴って発生する振動や騒音を軽減するため、坑口部や市街地通過部では発破に代えて機械掘削が中心となる。ただ機械掘削は、地盤が硬い場合に時間がかかることなどが課題の一つとされており、周囲への影響を少なくする発破の工夫が求められている。

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