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国交省/低コストで無電柱化、直接埋設方式を実証実験/普及に向け基準見直しへ  [2014年12月4日1面]

電線を直接埋設した試験場の道路。脇から電線ケーブルが飛び出している。

 電線を地中に埋め込んで街の景観を改善し、防災性も高める「無電柱化」。海外の主要都市に比べ出遅れている日本でもこれを普及させるため、国土交通省などが低コストで実現できる工法の実証実験を進めている。国内で主流の電線共同溝方式より工事費を圧縮できる直接埋設方式と小型ボックスカルバートを活用した埋設方式が対象。3日には、現在の基準より浅い位置に直接埋設を行っても問題ないかどうか確認する実験現場が報道機関に公開された。
 茨城県つくば市にある土木研究所の舗装走行試験場。無人の大型トラック4台が自動運転によってループ状の道路を時速30キロを保ったまま走り続ける。重りとなる鉄板を積み込み、総重量は33トン。試験期間の1カ月間で約10万回走行する。車道の直下25センチと55センチの位置には、電力線と光ファイバーなどの通信線が直接埋め込まれている。トラックの走行荷重による道路やケーブルの損傷や通信状態などを確認するのが目的だ。
 経済産業省が定めた現行基準では、地表から1・2メートル以上深い位置に電線を埋設しなければならない。ただ、掘削量が多くなり費用がかさむ。浅い位置への埋設が可能になれば、低コスト化が図れ、普及が進むと国交省などはみている。
 同日は、国交省が設置した「無電柱化低コスト手法技術検討委員会」(委員長・秋葉正一日大教授)の委員や関係省庁の担当者などが現地を視察した。別の実験場では、電力線と通信線の間隔を縮め、ケーブルを収納するボックスを小型化する技術も検証。直接埋設方式と小型ボックス方式の施工性を確認する実験も新潟県内の国道建設現場で進めている。検討委員会は年明けに実験結果の最終とりまとめを行い、国交省は来年3月に設計要領などの改定案をまとめる。
 試算によると、現行の電線共同溝方式だと土木工事費として1キロ当たり3・5億円かかるが、ロンドンやパリなどで採用されている直接埋設方式だと同0・8億円で済む。埋設する深さは60センチ程度で、実験の深さに抑えられれば、さらにコストを低減できる見込み。幅の狭い生活道路や歩道などに適しており、国交省は新たな埋設方式を導入することで、遅れ気味の無電柱化を加速させたい考えだ。

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