技術・商品

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

竹中工務店/免震改修の施工管理にモニタリングシステム適用/装置の変形監視  [2014年12月5日3面]

 竹中工務店が、免震装置の変形を継続的に遠隔監視する技術の応用範囲を広げている。免震建物の新築工事に続き、免震改修工事の施工管理に適用。既存建物の変位や免震装置に及ぼす影響をリアルタイムに監視し、施工精度を一段と高めた。竣工後も継続監視している建物があり、免震装置の水平変形や高さ変動の傾向を定量的に把握。技術データを蓄積し、設計や施工にフィードバックする。地震時の挙動計測やインフラの維持管理への応用も進めていく。
 免震装置を遠隔監視する「竹中免震モニタリングシステム」は、免震装置の「水平変形」「鉛直変形」「免震層温度」をセンサーを用いて継続的に自動計測し無線で送信。収集したデータを、離れた場所にあるパソコン上でリアルタイムに把握・監視できる。施工精度の向上を図る目的で開発し、11年2月に竣工した武田薬品工業湘南研究所(神奈川県藤沢市)の建設に初適用した後、数件の免震工事に導入している。
 新築だけでなく免震改修工事の施工管理にも展開。東北大学医学部3号館(仙台市青葉区)の中間階レトロフィット免震改修工事では、既存建物を考慮して鉛直方向を重視した計測計画や、施工環境に応じた無線の仕組みなどを構築。設置した免震装置の挙動をリアルタイムに計測し、施工中の建物に異常な変位が生じていないことを確認しながら工事を進めた。
 免震装置の変形計測は5年に1回、担当者が免震層内に立ち入り、計測機器で装置の変形量を計測するのが一般的。だがアクセスが容易でない免震層での計測作業は多大な労力を必要とするだけでなく、時系列変化や温度変動などを定量的に把握できないという問題を抱えていた。そこで同社は免震モニタリングシステムを、長期的に免震装置を監視する品質管理システムとして応用している。複数年の計測データを分析した結果、免震装置の水平変形は免震層温度の変動と相関し、建物全体のひずみや変化に問題がないことを確認。鉛直高さは年間を通してほとんど変動しないことも分かった。こうしたデータをさまざまな形状の免震建物から蓄積し、設計や施工に役立つ技術データを構築していく。
 今後の展開について、大畑勝人先進構造エンジニアリング本部免制振グループ長は「地震時の挙動計測」と「モニタリング技術の活用」の2点を挙げる。地震時でもデータを計測できるシステムにし、常時・非常時を問わず免震装置の挙動をモニタリング。非常事態の予兆の把握して未然に対処する仕組みづくりも模索していく。免震モニタリングで得た無線技術に関する知見をインフラの維持管理分野にも応用。安定的で精度が高く、電力消費量も少ないシステムに改良し、目視などこれまで人が行っていた測定を置き換える技術に発展させていく。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

インフラ・ビジネス最前線―ODAの戦略的活用
 途上国や新興国で日本の民間企業が行うイ...続きを読む
建設業で本当にあった59話の心温まる物語
およそ500万人が働く建設業界。それぞれ...続きを読む
作業現場が危ない?!熱中症予防・対策マニュアル
熱中症は、早期の対処で重症化を防げる疾患...続きを読む
中小企業の事業性を向上させる税理士の経営支援
身近な専門家である税理士の支援を受け、中...続きを読む
DVD 道路工事の労働災害・公衆災害
安全教育用DVD「つくる!安全現場の一年...続きを読む