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清水建設/山岳トンネル工事で不良地山対応強化/底部支保工一括設置ロボ導入  [2014年12月10日3面]

左右の組み立て用ブームで底部支保工をつかみ、組み立てる

 清水建設が、地盤性状の悪い不良地山に対応した山岳トンネルの施工技術を強化している。トンネル底部に鋼製支保工を一括設置するロボットを建設機械メーカーのエフティーエス(東京都中央区、比嘉さゆり社長)と共同開発。併せて3次元スキャナー計測で掘削状況をリアルタイムに可視化する遠隔管理システムも実用化した。今後、リング状の支保工を施工する現場に設置ロボットと管理システムを標準装備し、施工性・安全性の向上を図っていく方針だ。
 不良地山でトンネルを掘削する場合、約1メートルピッチで支保工を建て込んで土圧に抵抗しながら掘り進める。支保工はトンネルの上部と底部(インバート)に分かれており、両者を接合してリング状に断面を閉合することで高い抵抗力を発揮する。トンネル断面の変形や崩落を防止するには、支保工の早期施工が有効。このため切羽直近でインバート支保工(底部逆アーチ型支保工)を設置する必要があり、従来は作業員が汎用重機を使って切羽直近で作業を行っていた。
 そこで同社は、インバート施工部の計測技術の高度化と支保工設置の機械化に取り組んだ。今回開発した「インバート支保工設置ロボット」は、3本のブーム(腕)を遠隔操作して支保工を組み立て、一括で設置する自走式の建設ロボット。2本に分割したインバート支保工を左右の組み立て用ブームを用いて一体化した後、垂直伸縮機能を備えた中央の建て込み用ブームに受け替え、一括で設置する。切羽直近での手作業が大幅に削減でき、施工の安全性が高まる。試験施工の結果、従来工法と比べて約4割の省人化を実現した。
 インバート施工を効率化するため、3次元スキャナー計測で掘削状況をリアルタイムに可視化する「インバート掘削遠隔管理システム」も開発。支保工設置ロボットと掘削遠隔管理システムを併用して切羽直近でインバートを閉合できる施工方法を確立した。従来工法では安全性を確保するため切羽から6メートルの位置までしか近づけなかったが、今回構築した方法では切羽直近3メートルでの施工が可能。トンネル断面の早期閉合を実現し、不良地山でもトンネルの安定性が確保できる。同社は今後、施工データを蓄積して安全性・施工性のさらなる向上を図るとともに、高度な技術が要求される大深度や不良地山の工事で技術提案していく考えだ。

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