論説・コラム

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

回転窓/暴飲暴食にご注意を  [2014年12月22日1面]

 「食卓の情景」「むかしの味」「旅でみつけたうまいもの」…。池波正太郎氏の食べ物本を読むと、いつも食欲が湧いてくる▼ラーメンや天ぷら、カレーライス、おでんなどごく平凡な食べ物を取り上げているのだが、読後に同じものを食べたくなる。書かれている店名をひそかに手帳に記し、いつかチャンスがあれば行ってみようと思うのだが、実現したためしはない▼独文学者の池内紀氏は、池波氏の食べ物本を「食通以上に、さりげない口調で語られた人間通の目が光っている」(『文学フシギ帖』岩波新書)という。おいしく食べたり飲んだりするだけでなく、調理人や隣席の人を観察し、それがスパイスのように文章に味付けされている▼人は食べたり飲んだりする時に自分を正直に示し、食べ方を見ればどんな人か分かると言われる。暴飲暴食を繰り返してきた身に今さら食べ方や飲み方をとやかく言われても直しようがないが、せめて飲み過ぎて人様に迷惑を掛けないようにと誓う▼今週末で仕事納めという方も多いことだろう。「終わりよければすべてよし」となるよう食べ過ぎ飲み過ぎにご注意を。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。