行政・団体

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

15年仕事始め-東北6県/震災復興から成長軌道へ/地方創生も大きなテーマ  [2015年1月6日6面]

あいさつする村井知事(左)

 15年の仕事始めが5日、東北6県で行われ、新年の仕事が本格的にスタートした。東日本大震災の発生から5年目の節目を迎える中で、今なお多くの被災者が仮設住宅での生活を余儀なくされている状況もあり、岩手、宮城、福島の被災3県では本格復興へとさらに加速化を図る方針だ。一方、復興完了後を見据え、「地方創生」をにらんだ取り組みも進みそうだ。今年3月に、仙台市で第3回国連防災世界会議が開かれる。東日本大震災で得られた教訓・知見や、復興に向けた産学官の取り組みを世界に発信する上で、重要な場面となりそうだ。
 宮城県では、復興計画の再生期の2年目を迎えることから、復旧・復興を引き続き最優先課題に掲げ、着実に取り組みを進める方針だ。岩手県も復興計画期間の折り返しの年であり、「応急仮設住宅などから恒久的な住宅への移行を加速化するとともに、復興道路など交通ネットワークの整備、地域産業の再生などを引き続き進める」(達増拓也知事)としている。東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響を大きく受けている福島県は、「復興の序章から新たなステージへと進めていく年」(内堀雅雄知事)と位置付けている。除染といった環境回復や復旧・復興事業とともに、原発廃炉に向けて先端技術の集結が求められることから、これを武器に革新的な新産業を生み出す「イノベーション・コースト構想」を具体化していく方針だ。
 今後、どのように地域を維持し、発展させていくかは、各県に共通する大きな課題となる。阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた兵庫県では、震災後に国内総生産(GDP)が増加したものの、3年目に減少に転じた。宮城県の村井嘉浩知事は、5日に行った職員向けの訓示で「兵庫県では、震災5年目に(GDPが)発災前を下回り、その後も長期にわたり低迷が続いた」と指摘、「(宮城県では)震災から5年目に突入し、まもなく復興需要は縮小する。次の成長軌道を支える柱を立てるため、今がビッグチャンスだという前向きな気概で取り組んでほしい」と呼び掛けた。
 人口減少が急速に進んでいる秋田県では、「人口問題対策が最重要課題」(佐竹敬久知事)との認識だ。移住・定住対策や地域産業の振興を図るほか、災害に強い県土づくりなどに取り組むとしている。山形県も「人口減少について危機感を持って捉え、持続的な成長・発展に向けた新たな対策を力強く推進する」(吉村美栄子知事)と認識は共通する。災害が多発する中で、安全・安心に暮らせる環境づくりが重要となっており、青森県の三村申吾知事は「災害や危機に総合的に強い県づくりにしっかりと取り組む」との方針を示す。
 こうした施策を着実に進めていくには、政府の予算動向が大きな鍵を握る。村井知事は、昨年末の衆院選の影響で政府の予算編成が遅れている状況を考慮し「新政権が発信する情報をしっかりと収集し、(県の)予算編成にあたってもらいたい」と指示した。地方創生を確実に進めるには、地方自らがプロジェクトを立ち上げて予算枠獲得に動くことが不可欠との危機感が背景にある。そうした各県の競争も強まることになりそうだ。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。