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建設業の国保組合/厚労省、国庫補助維持へ/保険料上昇や赤字解散回避  [2015年1月9日1面]

 厚生労働省が検討している医療保険制度改革で、200万人が加入している建設業の国民健康保険組合(国保組合)が国庫補助削減の対象から外れることが確実な情勢となった。所得水準が高い国保組合の定率国庫補助は廃止されるが、比較的所得水準の低い建設業の国保組合は、医療給付費(窓口負担額を除く医療費)に対する原則32%の国庫補助が維持される。同省幹部が8日明らかにした。週末の15年度予算案の大臣折衝を経て決定する。
 建設業の国保組合は現在32あり、組合員は40万人、家族を合わせた被保険者数は157万人に上る。一般業種に分類され、大手ゼネコンなどが加入する「全国土木建築国民健康保険組合」(土健保、被保険者42万人)もある。健康保険では、大企業などに勤務する人は健康保険組合(健保組合)、中小企業などの場合は協会けんぽに入るのが一般的。国保組合は、1961年の国民皆保険体制が発足する以前に同業者が組織した公法人で、建設業のほか医師や歯科医師、薬剤師の国保組合がある。健保組合には国庫補助はなく、協会けんぽは16・4%で、国保組合は優遇されているとの指摘があった。
 国庫補助の見直しは、13年に成立した社会保障制度改革プログラム法に明記された。国庫補助をすべての国保組合でなくせば、建設業に従事する組合員が毎月払う健康保険料が所得に見合わないほど上昇したり、赤字で国保組合を解散したりする懸念もあるため、所得水準の高い国保組合に絞ることになった。厚労省の調査によると、医師と建設の国保組合では、世帯当たりの所得水準に2倍以上の開きがある。
 同省の審議会は昨年、民主党政権下だった10年11月に行政刷新会議が示した見直し案を基に組合財政への影響を試算。見直し案は一律32%の定率補助を、所得水準に応じて0%、8%、16%、24%、32%の5段階に変える内容だったが、そのまま導入すれば建設業で3組合が赤字になることが分かり、救済する方向で議論が進んでいた。

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