論説・コラム

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回転窓/災前と災後  [2015年1月19日1面]

 「災前」「災後」という言葉があるのかどうか分からないが、建設業界ほど災前・災後で変わる業界はないだろう▼例えば耐震性の基準。建物の耐震設計基準はご存じの通り、1923年の関東大震災を契機に初制定され、その以降地震災害が起こるたびに見直されてきた。68年の十勝沖地震後には鉄筋コンクリートの帯筋の基準が強化され、78年の宮城県沖地震後の81年には新耐震設計法が制定された。これが「新耐震」と呼ばれるものだ▼95年の阪神大震災では、81年以前の旧基準の建物に甚大な被害が発生したが、新耐震の建物には被害が少なく、「構造体を無被害にとどめ、人命を守る」という耐震目標の妥当性が証明された▼一方で、財産保全や機能維持という面には課題も残った。非構造部材の外装ガラスや天井板、スプリンクラー、高架水槽などの設備機器に破損などが相次いだからだ。阪神大震災以降、非構造部材の基準も順次見直されている▼「災後」に各種基準類が改正されるのは、その災害の教訓を生かしてのこと。それだけに、旧基準のものを新基準にいかに更新していくかが問われている。

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