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熊谷組ら3社/微生物活用し油汚染土壌浄化/沖縄県で実証実験完了、コスト半減  [2015年1月23日3面]

沖縄県で行われた実証実験

 熊谷組は22日、南洋土建(那覇市、比嘉森廣社長)、テクノス(愛知県豊川市、中川正俊社長)と共同で、微生物を使って油汚染土壌を浄化する新技術を開発したと発表した。12年度から沖縄県で進めてきた実証実験の結果、油汚染対策ガイドラインで浄化目標に規定された油膜・油臭の無いレベルまでの浄化を2~3カ月で達成。汚染土壌約1万立方メートルの浄化を想定した場合、非汚染土壌と入れ替える方法に比べ、コストを半分以下にできることを確認したという。
 開発した「ちゅらパイル工法」は、人体や動植物、魚類、他の微生物に影響のない石油分解菌を用いる。対象土壌にこの菌ともみ殻、堆肥を練り混ぜ、パイル(盛り土)状に積み上げる。パイル内に設置した有孔管から周辺の空気を取り込んで酸素を土壌中へ供給し、菌の働きを活性化させる。パイル上部には酸素の供給を妨げずに適度な水分を導入できるよう、透気性防水シートをかぶせる。もみ殻は粘土質の土壌を練り混ぜる時に大きな塊が発生するのを抑える役割を果たす。
 実証実験は、将来の米軍基地移転後の跡地開発を見据えた汚染土壌浄化処理の準備を進める沖縄県の公募事業として実施した。米軍基地の土壌はジェット燃料や機械油などによる油汚染が想定されており、南洋土建が浦添市に所有する敷地に模擬汚染土壌を用意して実験を行った。
 在来の分解菌を活性化させて浄化する「スティミュレーション」と、分解菌を投与する「オーグメンテーション」の2種類の方法を試し、沖縄の気候風土に適した管理手法としてちゅらパイル工法の有効性を確認した。浄化土壌を用いた植物の生育実験も併せて行った結果、琉球アサガオやゴーヤの生育に影響を与えないことを実証。育ったゴーヤの油分濃度の測定結果からも浄化土壌中の油分の影響は確認できなかったという。
 汚染土壌対策では、掘削除去する方法が一般的だが、コストが高くつき、土壌を搬出・運搬する時の飛散も課題となる。ちゅらパイル工法は、低コストで環境負荷が少なく、工場敷地、都市部、住宅街など幅広い状況で施工できるメリットもある。工法の普及に向け、沖縄県内の企業に呼び掛け、15年度にも工法協会を設立する予定だ。

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