技術・商品

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

熊谷組、ファテック/覆工背面空隙注入材をプレミックス化/小規模施工用に袋詰め  [2015年1月26日3面]

エコマックスTypePの吐き出し状況

 熊谷組は、子会社のファテック(東京都新宿区、青野孝行社長)と共同で、既設トンネルの覆工背面などにある空洞に流し込んでトンネルの耐久性を向上させる新しい可塑性注入材を開発した。火力発電所から出るフライアッシュ(石炭灰)を使って07年に開発した注入材の混和剤を粉体化し、小規模施工用に袋詰めしたのが特徴。現場で水を加えて混合・撹拌(かくはん)するだけで製造できる。坑口から遠かったり、狭い空間で作業をしたりする厳しい施工条件の現場に有効という。
 熊谷組はこれまで、フライアッシュを配合した可塑性注入材「エコマックス」、フライアッシュ無配合で長距離圧送が可能な「AZグラウト」、フライアッシュを配合し、長距離圧送も可能にした「スーパーエコマックス」の3種類の注入材を開発している。これらの注入材は、施工数量が数百~数千立方メートルと規模の大きな工事に使用。トンネル坑口など現場周辺に材料の製造プラントを設置。生コン車で現場まで運搬するか、配管で圧送している。
 一方、施工数量が100立方メートル以下の小規模現場では注入材として発泡ウレタンを用いるのが一般的だが、強度が不安定で耐久性が課題の一つ。少量の可塑性注入材を使うには、材料を手作業で計量して混ぜる必要があり、手間がかかるのが難点だった。新製品の「エコマックスTypeP」は、フライアッシュを大量に使用したプレミックスの可塑性注入材。現場で水を加えて100リットルまたは200リットルサイズのミキサーでかき混ぜる。モルタルポンプで20メートル程度の圧送が可能という。
 プレミックス材料は工場で製造されるため品質が安定。水中分離抵抗性を備えており、水の豊富な環境でも施工できるメリットもある。打設から28日後の圧縮強度は1平方ミリメートル当たり3~4ニュートン(N)。コストは、圧縮強度が同程度の発泡ウレタン(12倍発泡)に比べ、材料費で2~3割、施工費を含めた施工単価で1割程度低く抑えられる。
 製造・販売はファテックが担当。1袋25キロ(材料価格は1立方メートル当たり10万円)で4月に販売する。水路トンネルの補修を主なターゲットに、初年度に500立方メートル、2年後に1000立方メートルの販売を目指す。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。