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大成建設/シールド機のカッタービット再利用/レアメタル有効活用へ  [2015年1月28日1面]

掘進後のリユースビット(左)と正規ビット。そん色なく使用できたことを確認

 大成建設が、シールドマシンのカッタービットの再利用(リユース)を進めている。ビット先端に使うレアメタル(希少金属)を有効利用するのが目的。ビット製作を手掛ける丸和技研(福岡県直方市)、有明工業高等専門学校と共同で構築したビットの性能評価・循環システムに沿い、正規ビットの代替としてリユースビットを活用する。今後はビットを回収するためリサイクル業者に営業活動するとともに、在庫管理方法の確立やデータベースの作成に取り組む予定だ。
 ビットの先端部には、レアメタルで構成する超硬チップが使われている。希少な金属だが、使用済みのビットはスクラップ処分され、一般鋼材と共にリサイクル業者へ1キロ当たり数十円で売却されるのが一般的だ。超硬チップの製造には、鉄の製造時の最大100倍の二酸化炭素(CO2)が発生するという。そこで3者は、レアメタルの有効活用を図り、CO2排出量を削減できるビットのリユース技術を共同開発した。ビットの性能を評価するため、まず外観検査で超硬チップに割れ・欠けのないものを選択。非破壊検査(超音波探傷)で超硬チップと母材(鋼材)との接着面を調査し、問題がなければリユースに回す。
 性能評価を経て回収したビットは、磨きをかけたり、ボルトを外したりして再利用可能な状態にして在庫する。適用工事で所要の超硬チップ長を満たしているリユースビットを、正規ビットの代替としてシールドマシンに搭載。リユースビットの健全性診査フローに沿った診断書を作成し、発注者の了承を取得する。このリユース事業は、丸和技研の子会社の丸和エコエンジニアリングが担当している。
 これまでに大成建設が施工した7件の工事現場からビットを回収。工事の状況によってはビットのすべては回収できず、再利用できる割合にもばらつきがあることが分かった。再利用可能と診断されたビットは約4トン。うち約1トンが、試験施工を含め6現場のシールドマシンに搭載された。実機に適用した結果、リユースビットが新品の正規ビットとそん色なく使用できたことを確認した。
 当面は、大成建設の工事でビットのリユースを進める。実績を重ねながらリユースビットの周知を図り、他社現場からのビット回収にもつなげていきたい考え。ビットの形状はシールド機メーカー各社の規格や、施工者の要望によって異なるためリユースが難しい。大成建設ではメーカーに対し、リユースの視点に立ったビット形状の標準化・統一化を働き掛けていく予定だ。3者はビットのリユース技術で、産業環境管理協会が主催する14年度「資源循環技術・システム表彰」(後援・経済産業省)のレアメタルリサイクル賞を受賞した。

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