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大成建設/高層ビル解体技術のメニュー拡充/3カ年計画、ニーズに応じ改良  [2015年1月29日3面]

昇降ジブクレーンシステム。4本の既存柱にジャッキシステムが組み込まれている

 大成建設が、高層ビル向けの解体技術の改良・応用を進めている。東京都港区の「赤坂ツインタワー東館」(S・SRC造地上18階建て高さ66メートル)の解体工事に「昇降ジブクレーンシステム」と「スライディング養生足場」による新工法を初適用した。超高層ビルの解体で実績のある閉鎖型解体工法「テコレップシステム」と新工法を組み合わせたり、テコレップの適用範囲を広げたりして解体技術のメニューを拡充し、多様化・複雑化するニーズに的確に応える体制を整える。
 テコレップシステムは、既存建物の最上階を利用した屋根で閉鎖空間を作り、1フロア解体するごとにジャッキで屋根を降ろし次のフロアの作業に移る仕組み。これまでに東京都千代田区の「大手町フィナンシャルセンター」(S造地上24階建て高さ105メートル)、東京都千代田区の「旧グランドプリンスホテル赤坂新館」(S造地上40階建て高さ140メートル)の解体工事に適用された。
 同社は二つの超高層ビルでの経験を踏まえ、解体技術の汎用性・実用性を高めるため、「3カ年計画でテコレップを改良・進化させる」(市原英樹建築本部技術部建築技術室次長)考えだ。その第一歩として、今回の新工法を開発し実現場に適用した。新工法は昇降ジブクレーンシステムとスライディング養生足場を組み合わせた。昇降ジブクレーンシステムは既存建物の屋上階にクレーンを設置し、既存柱4本に取り付けたジャッキで1フロア解体するごとに下の階に自動降下させる仕組み。
 現場では、ワイヤでつるされた屋上階の床(重量210トン〈クレーン含む〉)を170ミリずつジャッキダウンし、1フロア(階高3550ミリ)を4日サイクルで解体している。建物全面に養生足場を設ける従来の解体工法で作業を進める「赤坂ツインタワー本館」と比べ、騒音や振動が低減する効果を確認している。スライディング養生足場は、足場自体に垂直荷重を受ける架台が付いた特殊形状で、防音パネルも装備している。クレーンの降下に合わせて足場を下げていく。1ユニットのサイズは高さ14メートル(3フロア分相当)、幅7・5メートル、重さ5トン。今回は28ユニットを建物の全周にはちまきのように配しており、従来の全面足場よりも周囲への威圧感が和らぐ。
 「正確に言うと新工法はテコレップではない」と市原氏が指摘するように、新工法は閉鎖空間を構築しない。またテコレップは仮設柱でジャッキダウンするのに対し、新工法は既存柱を生かしてジャッキダウンする。だが「ジャッキダウン中はワイヤでつるす。解体作業中はフレーム(屋根や床など)を構造体で受ける。この二つはテコレップの概念」(市原氏)であり、新工法もテコレップの応用形と捉えることができるという。同社は今後もテコレップの改良・進化に注力。フロアによって平面形状が異なったり、周辺環境など立地条件が厳しかったり、またRC造だったりなど幅広い高層ビルに対応できる解体技術を開発していく方針だ。

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