論説・コラム

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

回転窓/レトロな街の知恵と工夫  [2015年1月30日1面]

 東京・西荻窪の街は近年、古美術や古道具の店が集まる都内有数の骨董街として知られる。その数60店を超え、お宝目当てに訪れる人が絶えない。30年ほど前には数軒の骨董屋しかなかったが、店主らが同業者に呼び掛け、出店の世話までしたのが骨董街形成の始まりらしい▼西荻窪は繁華街・吉祥寺の隣だが、JR西荻窪駅周辺には細い路地と木造長屋の古い飲食店街が残る。開発の波には取り残されたが、こうした昭和の面影と骨董のイメージが重なって最近はレトロな街として人気を呼び、昼も夜もにぎやかだ▼空き店舗が並ぶ「シャッター通り商店街」の増加が各地で問題になっている。政府は昨年、中心市街地活性化法を改正し、空き店舗を取得した事業者の固定資産税を軽減するなどの支援策を強化したが、空洞化にはなかなか歯止めが掛からない▼東京には古書店が集まる神田神保町、電気街の秋葉原、道具街の合羽橋など人気の専門店街が多い。西荻窪は古い街並みと相乗効果を生む専門店を呼び集めて再生した▼行政の支援ばかりに頼らず、知恵と工夫でにぎわいを取り戻した好例といえるだろう。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。