論説・コラム

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回転窓/梅の咲かない春  [2015年2月10日1面]

 立春を過ぎ、梅の花の季節を目前にして気になるニュースがきのうの本紙に載っていた▼東京の西の郊外、青梅市はその名の通り梅の名所として知られる。ここの梅林で果実を駄目にするウイルスの感染が広がり、公園にあった1200本もの梅の木がすべて伐採されたという。感染拡大を食い止めるには木を根こそぎにするしかないそうで、はげ山と化した公園の写真が痛々しかった▼伐採作業に当たったのが地元の造園会社と聞き、鳥インフルエンザなどが発生した時のことを思い出した。殺処分された家畜の埋設などに協力するのは地元の建設会社。つらい作業だろうが、誰かがやらなければならない。梅を伐採した造園会社は、40年前の公園建設時に梅の植栽をしたというから、さぞ複雑な気持ちだったろうと推察する▼梅に感染したウイルスは海外から人為的に持ち込まれた可能性が高いという。病気にも国境がなくなるグローバル時代の怖さを感じさせるニュースでもある▼梅の咲かない早春の風景は誠に味気ないものだろう。一般にはあまり話題になっていないようだが、ローカルニュースと侮れない。

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