論説・コラム

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回転窓/インフラとコミュニティー  [2015年2月19日1面]

 神戸市のとある公園では、決まった休日にリヤカーが登場し若者が寄ってくる。お目当ては掃除道具。ダンス練習などに集まる若者らが自主的に清掃を行うための道具だ▼舞台は、阪神大震災の復興記念公園として整備された「みなとのもり公園」。構想段階から運営に至るまで市民が参画し、「自分たちに何ができるか」を考えた。答えの一つが清掃だった▼東日本大震災で防災集団移転促進事業が実施された玉浦西地区(宮城県岩沼市)の公園には、少々不器用に植え込まれた芝生が広がっている。税金で芝生を整備することは難しいと市に言われ、被災住民らが自ら手配し植えたという。「自分たちがやるからこそ愛着が出る。それがコミュニティーにとっても非常に大事」と菊地啓夫岩沼市長は強調する▼インフラメンテナンスを支える中核は行政や建設産業だが、市民が加わることで大きな力となり、理解も生み出す。道普請のように、地域と社会資本は本来、深いつながりの中で整備・維持されてきた▼社会資本のありがたみを再認識した被災地からは、そうした原点を呼び起こすことも求められている。

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