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熊谷組、IHIら/制御装置なしで建機を遠隔操作/CAN信号伝送、有効性確認  [2015年2月20日3面]

新システムを搭載したトラックローダー

 熊谷組とIHI、IHI建機(横浜市金沢区、志村俊和社長)は19日、建設機械による無人化施工で新たな遠隔操作システムを実用化したと発表した。車両に搭載された機器間のデータ転送に使われるネットワーク(CAN)を用いる。CANの信号をそのまま伝送することで、遠隔操縦用の制御装置を不要にした。操作情報を車両側と操作室側で共有でき、搭乗して作業するのと同じような感覚で操作できるという。長崎県の雲仙普賢岳で進む無人化施工の現場で有効性を確認した。
 災害復旧の現場などでは、人が立ち入って作業すると危険なケースもあり、遠隔地から建設機械を操作する無人化施工の導入が広がりつつある。国土交通省九州地方整備局が発注した「赤松谷川11号床固工工事」(工期12年12月11日~15年3月30日)もその一つ。雲仙普賢岳の火山活動に伴う火砕流や土石流災害から地域を守るためにコンクリート製の砂防施設を構築する工事で、作業員の安全を確保するため、全20台の建機を遠隔操作している。
 遠隔操作は、固定カメラ、移動カメラ車、建機に取り付けた車載カメラの映像を見ながら行う。建機の操作に必要なデータは建機上でLAN化して伝送する。操作室から現場の無線基地局までは約400メートル。光ファイバーケーブルを2線敷設し、中継車も設置して確実な配信を支えている。数十キロの遠隔操作も可能という。
 今回の現場でCANを装備した建機は1台。多機能型の小型トラックローダー(CL45)で、移動カメラ車、清掃車として活躍している。従来のシステムと異なり、操作系統油圧電磁バルブや制御機器を取り付けるための本体の改造を不要にし、低コストで導入できるメリットもある。先端のアタッチメントを交換することで、フォークリフトやショベルにも転用できる。3社はCAN制御の建機の需要が今後増加すると予想。IHIとIHI建機は遠隔操作用の適用機種の拡大を計画している。熊谷組は東京電力福島第1原発事故に伴う除染作業の現場での導入を検討するとしている。

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