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西松建設/大口径鋼管の長尺打設工法、坑内に初適用/近接水路への影響抑制  [2015年2月24日3面]

坑内で大口径鋼管を長尺打設

 西松建設は23日、山岳トンネルの掘削に使うドリルジャンボで直径139・8ミリの大口径鋼管を長尺打設する工法を、トンネル坑内で初めて適用したと発表した。狭い坑内での打設精度や施工性を確認するとともに、近接する既設水路への影響を最小限に抑制できた。既に坑口部の安定化対策として実績のある工法で、今回の適用で坑内の変形抑制・天端保護対策としての有効性も実証。今後、掘削時の変形抑制が必要なトンネルに積極提案していく。
 適用したのは、超長尺大口径鋼管先受け工法「LL―Fp工法」。切羽前方のトンネルアーチ部にドリルジャンボで大口径鋼管を長尺打設し、鋼管から地山に薬液を注入することで掘削時にトンネルの変形抑制や切羽の安定化を図るのが特徴だ。大口径鋼管専用の削孔機を使用する従来工法と比べ、大幅な工期短縮・コストダウンが可能になる。
 現場は、愛媛県発注の千丈トンネル(八幡浜市)。既設水路の約10メートル直下を近接施工する区間があり、事前調査で断層破砕帯の出現も予想されていたため、トンネル掘削に伴う周辺地山の変形・沈下が既設水路に影響を及ぼすとの懸念があった。そこで同社は、水路直下を含む長さ45メートルの施工区間にLL―Fp工法を適用した。AGF鋼管の約3倍の曲げ剛性を持つ大口径鋼管(内部にAGF鋼管を挿入した2重構造)を1断面当たり27本施工。拡幅断面には長さ約30メートル、無拡幅断面には長さ約27メートルの2シフトで打設し、鋼管から薬液を注入した。
 既設水路の変形量などを計測・監視するとともに、打設時の削孔データを用いて打設区間の地山性状を評価。施工区間にある断層破砕帯の地山脆弱(ぜいじゃく)部の有無を確認した。今回、打設精度を高めるため、坑内用特殊鋼管受け治具を適用。作業性や安全性を考慮して従来型より大幅に軽量化した。坑口から適用した結果、約40メートルの鋼管打設で200分の1程度の精度を確保できた。大口径鋼管の打設には、長さ約3メートルの鋼管を作業員が手作業で接続するが、安全性を高めるため鋼管接続装置を開発し、接続の半自動化を実現した。
 作業スペースが限られるトンネル坑内にLL―Fp工法を適用した結果、施工効率を低下させることなく所定区間の鋼管打設、地山注入を実施。掘削時のトンネル変形の増大もなく、懸念された水路への影響も沈下量が基準値の半分程度に抑制できたという。

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