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竹中工務店/鋼板で建物包む耐震工法開発/省スペース・短工期、デザイン性確保  [2015年2月26日3面]

ランダムタイプを適用したコクヨ本社本館ビル

 竹中工務店は25日、新開発した耐震補強工法の「スチール・アイビー耐震工法」を、「ニッケ四ツ橋ビル」(大阪市西区)、「育英高等学校本館」(神戸市長田区)、「コクヨ本社本館ビル」(大阪市東成区)に採用し、完成させたと発表した。同工法は鋼板でツタのように建物を包む。従来の耐震ブレースを内部に設ける方法では部屋の面積が減り、建物外部にブレースを設置する手法では外周部に敷地の余裕が必要だったが、新工法ならこうした問題がなく、短工期とデザイン性確保も実現できる。
 新工法は、従来工法の課題を解決し、工法の選択肢を増やす目的で開発。壁面全体を鉄板の柱とRCの梁で均質に補強する「スクエアタイプ」と、用途や保有耐震性能、外観デザインに合わせて必要な階に「ロ」の字に組んだ鋼板で補強する「ランダムタイプ」を実用化した。ランダムタイプは外側に金属パネルを設置し、バルコニースペースを新設するなど壁面に変化をつけられる。
 省スペースで設置可能な上、建物を使用しながら施工できるので、業務・生活への支障が少ない。既存建物との接合部が見えないため、意匠の自由度も高い。補強材が軽いため、基礎構造への影響が小さいといったメリットもある。
 一般的な耐震補強工法には、鉄骨ブレースを柱梁のフレーム内に増設する「鉄骨ブレース補強工法」や、鉄筋コンクリート造の柱梁を増設する「外付けフレーム補強工法」などがある。鉄骨ブレース補強工法は、安価で施工できるが、斜め材によって建物の使い勝手が悪くなることや、デザイン性の問題があり、部屋の面積が小さくなることも多い。外付けフレーム補強工法は、建物の外周部に十分な敷地の余裕がなければ施工できず、RC造のフレーム重量が基礎に加わるため、適用が難しいケースもある。同社は今後、耐震補強案件で新工法の適用を拡大していく方針だ。

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