工事・計画

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19年ラグビーW杯日本大会/開催12会場決定/競技場・関連施設の再整備推進  [2015年3月4日4面]

釜石市内に整備する競技施設の完成イメージ

 2019年のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の開催会場が決定したことを受け、開催都市の自治体や関係団体などは競技場の整備・改修に本格的に乗りだす。競技場を新たに整備するのは、開幕戦と決勝戦が予定される東京会場の新国立競技場と、岩手県釜石市内で計画されている「釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)」の2施設。他地区の競技場も国際大会の施設基準・仕様に合わせて改修を行う。国内外から多くの観客が訪れることを見据え、新たな街づくりを進める官民の動きも活発化しそうだ。
 五輪、サッカーW杯に次ぐ、世界的なスポーツイベントとされるラグビーW杯。日本大会では開催会場に15の都市が立候補し、2日に▽札幌市(開催会場・札幌ドーム)▽岩手県、釜石市▽埼玉県、熊谷市(熊谷スポーツ文化公園ラグビー場)▽東京都▽神奈川県、横浜市(横浜国際総合競技場)▽静岡県(小笠山総合運動公園エコパスタジアム)▽愛知県、豊田市(豊田スタジアム)▽大阪府、東大阪市(花園ラグビー場)▽神戸市(御崎公園球技場)▽福岡市(東平尾公園博多の森球技場)▽熊本県、熊本市(熊本県民総合運動公園陸上競技場)▽大分県(大分スポーツ公園総合競技場)-の12会場が選ばれた。
 12の開催地の中で唯一会場を持たないまま選ばれた釜石市は県と共同で、東日本大震災の津波で大きな被害が出た鵜住居地区の小・中学校跡地(敷地面積約7ヘクタール)にスタジアムや競技場、屋内運動場などを整備。スポーツレクリエーション拠点をつくる。施設規模や事業スキームなど詳細計画を今後詰めていく。
 周辺の公共交通網の整備では、関係自治体とJR東日本などが山田線の鉄道復旧で先月合意。7日に着工式が開かれる。ラグビーW杯の地元開催の決定が、今後本格化する山田線の復旧と沿線の復興街づくりを後押しすることになりそうだ。野田武則釜石市長は2日夜、「W杯が復興のシンボルになる。スタジアム完成へ全力を尽くす」と決意を述べた。埼玉県は開催決定を前に、15年度予算案に開催会場となる熊谷ラグビー場の改修費として約4・3億円を計上した。18年度までにW杯開催に必要な施設整備を進める。
 このほか、開催都市に選ばれた自治体の多くが会場となる競技場の改修を予定している。東大阪市は花園ラグビー場の改修内容を盛り込んだ基本構想を月内に策定する。スタンドの増設や照明、モニターの付け替えなどを行う方針。W杯終了後も施設稼働率を下げないための対策も検討し、「西のラグビーの聖地が『負の遺産』とならないようにする」(市関係者)としている。豊田市も具体的な改修内容は未定だが、ピッチの拡張などを行う考え。開催中は施設周辺が混雑し、携帯電話・端末などの通信状況に障害が出る恐れがあるため、Wi-Fiなど通信基盤の拡充も検討するという。
 札幌市はラグビーの大会を開催したことがない札幌ドームで、フィールドの改修方法などの検討に入る。野球とサッカーのプロチームも使用する施設のため、運営面での対応も考慮しながらハード・ソフト対策の具体化を進める。福岡県は博多の森球技場の改修を検討する。熊本県・市では陸上競技場の観客席の増設などの改修計画(素案)を基に、関連施設の再整備の内容を早急に固める。
 開催都市決定を受け、ラグビーW杯の翌年に東京五輪が開かれる東京都の舛添要一知事は「世界が注目する世界的な(スポーツの)祭典を2年連続で開く世界初の都市となる。経済波及効果や都民のスポーツへの関心の向上など、多くの効果が期待できる。二つの大会に向けた取り組みをさらに加速させ、世界一の都市・東京を実現させる」とコメントした。

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