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清水建設/先端地震防災研究棟(東京都江東区)が稼働/高性能振動台2基設置  [2015年3月5日1面]

巨大地震を再現できる大型振動台(上)と長周期地震動を3次元で再現できる大振幅振動台

 清水建設は、東京都江東区の技術研究所に整備した「先端地震防災研究棟」の本格運用を開始した。さまざまな地震の揺れを再現できる大型振動台と、長周期地震動を3次元で再現できる大振幅振動台を備え、建物が崩壊するまでの現象把握や、高層建物内の設備や家具の挙動把握・対策検証などハード・ソフト両面の研究開発拠点として活用する。地震体験プログラムを顧客に提供し、防災意識を喚起する場としても役立てる。4日に新研究棟を報道機関に公開した。
 1986年に整備した振動実験棟には4メートル四方の振動台があり、水平方向に加速度800ガル、変位プラスマイナス20センチの揺れを再現できたが、東日本大震災の教訓をいち早く研究活動に反映させるため、巨大地震や長周期地震動を再現できる研究棟を建設した。建物はS造地下2階地上2階建て延べ1843平方メートルの規模で総工費は52億円。東條洋専務執行役員技術担当は「安全・安心な社会基盤整備に向けた最先端の実験施設」と胸を張る。
 導入した大型振動台「E―Beetle」は、内陸直下や海溝型などさまざまな地震の揺れを再現できる。振動台は7メートル四方で最大搭載重量70トン。35トンの搭載時に最大加速度が水平方向2700ガル、上下方向2200ガル。最大変位は水平方向プラスマイナス80センチ、上下方向プラスマイナス40センチ。企業が保有する振動台としては最高性能という。建物が終局状態(崩壊)に至るまでの挙動を把握できる。石川裕執行役員技術研究所長は「想定外の揺れに備え、建物の余力を知っておくことが非常に重要だ」と強調。金子美香技術研究所安全安心技術センター所長は「内外装や設備など実物を載せることができる。主構造体から内外装や設備まで含めた耐震性能を把握し対策を検証していく」と今後の方針を話す。
 大振幅振動台「E―Spider」は、長周期地震動による超高層ビルの揺れを再現できるのが特徴だ。水平方向の最大変位は1・5メートル。上下方向にはプラス90センチ、マイナス70センチで傾きも付けられ、3次元の揺れをリアルに再現する。水平、上下、傾きの地震動を再現できる施設は国内外でもここだけという。「建物自体の揺れのほか、室内の家具や屋上設備などの挙動を捉える。揺れが人の心理、生理、行動に与える影響も把握できる」と金子氏。振動台に専用キャビネットを設置し、地震の揺れや地震対策の効果を体験できる地震体験プログラムも提供。顧客の防災スキルの向上、地震防災技術の提案により事業継続計画(BCP)の最適化に寄与していく考えだ。
 同日は、大型振動台で超高層ビル(40階建て高さ150メートル)をモデル化した試験体(重量13トン、高さ3・8メートル)を東日本大震災の揺れ(仙台市宮城野区、震度6弱)で加振。試験体最上部で約40センチの変位を記録した。大振幅振動台には専用キャビネットを設置した地震体験プログラムを用意。東京にある24階建て超高層ビルの屋上を想定し東日本大震災による長周期地震動の揺れを再現した。

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