行政・団体

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

公共施設の解体加速/除却債発行自治体が増加/学校・市民会館・職員住宅など  [2015年3月10日1面]

 公共施設の統廃合や縮小を進める計画に基づき、施設を解体するための財源として地方債を発行する地方自治体が増え始めた。総務省が昨年創設した「除却債制度」を活用。2月までに新潟県や横浜市、高松市など10団体が起債を申請した。解体するのは職員宿舎やスポーツ施設、中学校、社会福祉施設などと幅広く、起債額は総額22億円に上っている。起債による解体は来年度以降も右肩上がりで増えるとみられている。全国で解体工事の需要増が見込まれるほか、解体後の用地を民間に売却して新たな開発に発展するケースも出てきそうだ。
 除却債の発行は昨年の地方財政法の改正で可能になった。除却費用の75%に地方債を充当できる。自治体は老朽施設や人口に対して過剰な施設を解体することで維持管理費を削減できる。公共施設の統廃合を後押し、自治体の財政健全化につなげる狙いがある。そのため起債の条件として同省は、インフラの維持管理や更新、長寿命化、統廃合に関する期間10年以上の「公共施設等総合管理計画」の策定を自治体に求めている。
 今年に入って起債を申請し、同省が同意予定額を出したのは、▽新潟県▽広島県▽鹿児島県▽横浜市▽神奈川県小田原市▽大阪府守口市▽高松市-の7団体。同省によると、解体件数は25件となる。昨年までに申請した長野県の伊南行政組合、川崎市、さいたま市の3団体を合わせると10団体に達した。
 起債を活用して解体する施設は、横浜市が高校、高松市が中学校、守口市が市民会館、新潟県が職員宿舎やスポーツ施設などと多岐にわたる。鹿児島県は、社会福祉施設を解体するため起債する計画。同施設は築50年が経過。敷地内に27棟(延べ4760平方メートル)が立つ大型施設で、解体には3億8600万円がかかる。
 起債は総合管理計画を策定する自治体数に連動して増える見通しだ。同省が昨年10月時点にまとめたところ、111団体が14年度に、460団体が15年度に同計画を策定する予定。16年度中にはほぼすべての自治体が策定を終える。特に増えそうなのは小中学校の解体。少子化による児童・生徒の減少に加え、文部科学省が小中一貫校の開設を加速させる方針を打ち出しているためだ。「平成の大合併」以降、不要になっていた庁舎の解体も少なくないとみられる。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。