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デベ各社が防災訓練/2カ国語で実施、テナントの災害対応力向上へ  [2015年3月12日4面]

六本木ヒルズのテナント関係者や住民ら900人が参加した防災訓練(森ビル)

 東日本大震災から丸4年となった11日にかけて、デベロッパー各社がそれぞれ運営・管理するオフィスビルやマンションで防災訓練を行った。テナント企業の勤務者や居住者ら関係者の災害発生時の対応力を高めようと、より実践的な訓練を展開。外国人向けに英語の通訳を入れた2カ国語の防災訓練を行うなど、今後の訪日外国人の増大を見越した防災対策に力を入れる社もあった。
 三井不動産は9~11日、東京・日本橋室町3丁目地区の再開発事業で解体予定の空きビルを利用し、同社が管理するオフィスビルで働く外国人と日本人向けに日・英2カ国語に対応した防災訓練を初めて実施。3日間で延べ約110人(うち外国人約30人)が参加した。
 今回の訓練では係員によって消防・防災設備の機能などを日本語と英語で解説した後、本物の粉末消火器による放出訓練を行った。このほか、エレベーターの閉じ込め体験、スモークマシンで煙を充満させた執務空間での火災避難体験などを行った。都心部で現在進めている複数の再開発事業や新たな産業創出の取り組みによって外国人就業者の増加が見込まれることから、同社は「防災訓練でも外国語対応を強化し、より実践に近い形で災害状況を体感してもらいながら、当社グループが管理するビル内で働く外国人の防災知識を高める」(担当者)としている。
 大京グループの穴吹コミュニティは6日、管理業務を受託する全国46都道府県(沖縄を除く)のマンション(約7万戸)の居住者とグループ関係者ら約7000人が、自宅マンションや職場で安全確保行動を一斉に行う「シェイクアウト訓練」を実施した。マンション管理会社が同訓練を行うのは国内初という。当日は専用アプリでスマートフォンから流れる訓練用緊急地震速報などを合図に、各自がその場で安全行動に取り組み、初動対応を確認。家具類の転倒防止対策や備蓄品のチェック、家族の緊急連絡網について考える「プラス1訓練」も行った。
 三菱地所レジデンスと三菱地所コミュニティは1日、千葉県習志野市の大規模マンション「ザ・パークハウス津田沼奏の杜」(13年6月竣工、総戸数721戸)の管理組合と共同で、避難後の生活までを想定したより実践的な防災訓練を実施。防災計画書で定めた安否確認フローに基づいて約340戸の居住者が、各住戸の安否情報を収集した。東日本大震災の被災生活から学ぶプログラムとして、マンホールトイレの組み立て訓練やワークショップ、防災セミナーなどを行い、入居者主体で災害に対する自助と共助の体制づくりに取り組んだ。
 森ビルは11日、東京都港区の六本木ヒルズで震災訓練を実施した。居住者やテナント企業・店舗の関係者ら約900人が参加し、心肺蘇生や消火器を使った消火活動などの手順を確認した。外国人が居住者の半数近くを占める六本木ヒルズレジデンスでは、日本語と英語の2カ国語による非常時対応を徹底。昨年4月から懐中電灯や簡易トイレが入った防災キットの配布も全戸で始めた。東日本大震災を契機とした自社ビルの防災対策強化の一環で、同社は13年度から独自開発の「建物被災度推測システム」を順次導入。建物の被災状況を素早く推測し、避難行動など適切な初動対応につなげる。

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