論説・コラム

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回転窓/松原の価値  [2015年3月12日1面]

 駿河湾に突き出た静岡市清水区の三保半島。海岸線約7キロにわたって数万本ものクロマツが生い茂る名勝「三保の松原」は、福井県敦賀市の気比の松原、佐賀県唐津市の虹の松原と並び、日本の三大松原と称される▼右手に青い海、左手に緑の松原、その正面に雄大な富士山を臨む景観は、古くから文学や芸術などに取り上げられた。こうした文化的価値が認められ、世界文化遺産として富士山との一括登録を果たした▼三保松原の中には、天女が衣を掛けたとされる「羽衣の松」も。初代は1707年の富士宝永山噴火の際に海中に没したと伝えられる。二代目も樹齢650年を超えて衰弱し、2010年に三代目の松に交代したところだ▼東日本大震災の大津波で、海岸線の松林が1本の松を残して消失した岩手県陸前高田市。松林の再生に向けた取り組みが本格化する中、「高田松原を守る会」の鈴木善久会長は「次代を担う子どもたちに美しい松林を残したい」との思いを一段と強くしているという▼復興は道半ば。失ったものの大きさと先へ伸びる復興の道のりを再確認しつつ、震災5年目の年が始まった。

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