論説・コラム

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回転窓/逆手にとったPR  [2015年8月6日1面]

 青森・弘前のねぷた祭を見てきた。「ヤーヤドー」という威勢の良い掛け声とともに、「ねぷた」と呼ぶ山車が夜の街を練り歩く。みちのくの短い夏を彩る風物詩▼三国志などをモチーフにした武者絵が基本だが、小型ねぷたでは、その年の話題が題材になることも。目に付いたのは弘前城のマスコットキャラクター・たか丸くん。普段はかぶと姿だが、ねぷたでは工事用ヘルメットをかぶっていた▼弘前城の石垣が外側にはらんできたことから、平成の大修理が行われているためだ。約100年ぶりに天守を曳家工事で動かし、石垣の抜本的な修理を行う。市民の関心の高さがねぷたのテーマにも反映されたのだろう▼「工事のせいで、弘前城が足場で囲われている」。そう聞くとマイナスイメージだが、「一生に一度しか見られない一大イベント」と言えば、むしろ売り文句になる▼実際に弘前市は「弘前ムービングプロジェクト」と銘打って、観光客の呼び込みに活用中だ。9月には曳家体験イベントも予定されている。工事はネガティブなものではない。逆手に取ったPRの可能性を強く感じた夜でもあった。

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