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新社長/宇部三菱セメント・上田淳氏/体質強化へもう一段の見直し  [2016年4月27日1面]

上田淳氏

 16年度から3カ年の中期経営計画がスタート。セメントの市場環境が低迷する中、大きな転換期に経営のかじ取りを任された。10年から行った体質改善策に加え、さらなる経営の効率化に取り組む。全国にあるセメント受け入れ基地(サービスステーション=SS)やタンカー船の更新も行いながら顧客ニーズに対応していく。
 --現在の事業環境は。
 「15年度の国内のセメント需要は、当初の想定を約300万トン下回る4265万トンほどとなったようだ。10年度に次ぐ低い水準だ。これは一時的に数量が落ちているわけではなく、構造的な問題だと捉えている。公共投資が減少する中、民間投資も東京地区だけに集中し、地方は低迷している。工事現場の人手不足の影響で建築物がRC造からS造へと変化していることも減少の一因と見ている」
 --今後の経営方針は。 「環境の変化に対応していくことが大きな経営課題だ。環境がどうなっても体力のある会社にしなければならず、経営の効率化を図っていきたい。これまでも体質強化策に取り組んできたが、需要動向に応じてセメントの運搬に使用するタンカー船やSSなどについてもう一段の見直しが必要だろう」
 --具体的には。
 「16年度の後半から工事量が上向いていくという声も多い。このためタンカー船の保有隻数(現37隻)に余力を持たせているが、需要に合わせて数を見極めていくことが必要で、そのタイミングを間違えないようにしたい。一方で必要な投資は行う。15年から21年までにタンカー船15隻の更新を350億円ほどかけて進める。SSでも引き続き顧客の利便性向上のため、設備を整えている」
 --新中期経営計画のポイントは。
 「市況や需要の変化を見据えて販売店・特約店のグランドデザインを検討していきたい。一定の商圏を持っていながら、後継者がいないといった問題を抱える販売店もある。大きな力である販売店をメーカーとしてフォローしていくことが求められる。例えば持ち株会社を作ることなども考えられるだろう」
 --人材育成は。
 「当社は宇部興産、三菱マテリアル両社の出向者で構成されるが、前中期経営計画から独自の研修制度を取り入れた。こうした効果は大きく、自分たちの会社を良くするためにどうするか、皆が一生懸命に考えている。遠慮せずに意見を出し合うことがより良い会社をつくる。風通しのいい文化、社風をもっと根付かせていきたいと思う」。
 (4月1日就任)
 (うえだ・じゅん)75年中央大法学部卒、宇部興産入社。98年宇部三菱セメント出向、01年名古屋支店副支店長、03年東京支店副支店長、11年常務、14年代表取締役副社長。山口県出身、64歳。趣味は旅行、ドライブ、毎朝のウオーキング。座右の銘は「おもしろきこともなき世をおもしろく」。

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