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清水建設/「イクボス」育成に力/WLB改善で着目、上司と部下で初セミナー開く  [2016年5月24日1面]

現場の上司と部下計120人が参加した初のイクボスセミナー=20日、東京・京橋の清水建設本社で

 清水建設が、子育てや趣味といった部下の私生活全般やキャリア育成に理解のある上司・経営者を指す「イクボス」の育成に力を入れている。特に残業や休日出勤の多い工事現場でイクボスの育成に取り組むことで、会社全体のワーク・ライフ・バランス(WLB=仕事と家庭の調和)改善を目指す。20日には、東京・京橋の本社で現場の上司と部下を対象にした「イクボスセミナー」を初開催。120人の社員が参加し、イクボス増加が会社に及ぼす影響やイクボスになるための心構えを学んだ。=3面に関連記事
 同社は、社内で女性活躍推進フォーラムを3年連続で開催するなどダイバーシティー(人材の多様化)の推進に積極的に取り組んでいる。5月には女性活躍推進法に基づく優良企業「えるぼし」認定企業に選定されるなど、建設業界の中でも取り組みが先行している。
 女性の次に同社が着目したのがイクボスだ。辻野直史専務執行役員人事部長は「会社全体のWLBを考えた時、女性の活躍推進だけを訴えていても本質は改善しない。女性を含む会社全体の考え方や環境が変わる必要がある」と指摘する。部下が有給休暇や育児休業を申請する際に裁量権を持つ上司の考え方を変えることでWLBを改善したい考えだ。
 初のイクボスセミナーでは、男性の育児参加を推奨するセミナーなどを開催するファザーリング・ジャパン(安藤哲也代表理事)から川島高之理事を招き、現場で働く上司と部下それぞれ60人ずつを対象に基調講演とグループワークを行った。
 グループワークでは、6人1組で上司と部下の立場を逆転させる形でロールプレーを実施。部下の立場で育児休業を申請した時に上司がどのような反応を示すか、周囲がそれを受け入れるかといったことを全員で検証し、実際の職場で生かせるようシミュレーションした。
 同社は、イクボスを育てようという企業のネットワークとしてファザーリング・ジャパンが主催する「イクボス企業同盟」にも加盟している。4月時点でゼネコンの加盟は同社だけという。辻野専務執行役員は「(イクボス育成は)企業単独で取り組んでもなかなか業界全体には波及しない。業界を目指す若者にとって魅力ある産業にするためにも、業界全体の動きとして広がることを期待している」と話している。

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