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4府県が下請次数制限/実質施工しない企業の排除も/都道府県発注工事、国交省調査  [2016年6月14日1面]

 国土交通省は都道府県を対象に、発注工事の下請を一定次数までに制限する取り組みの実施状況をまとめた。5月の調査時点で4団体が下請次数を制限し、2団体が導入やモデル工事を予定。総合評価方式の入札で次数制限に加点する団体もあった。実質的に施工しない企業を排除するため、工事の主要部分の自社施工を入札の原則にする団体もあった。今後も地域維持や災害時対応などの観点から、行き過ぎた重層化を是正し、管内業者が持続的に活動できる環境整備が進みそうだ。
 下請を過度に重層化すると、間接経費の増加を招き、生産性の低下や労務費へのしわ寄せといった課題が生じる一因になると指摘されている。このため国交省は直轄工事を対象に、施工体制台帳の備え付け状況や下請契約の締結状況などの点検を実施している。
 国交省は都道府県を対象に、下請次数の制限や現場の施工体制点検などの実施状況を調べた。その結果、福井、京都、鳥取の3府県が下請次数を原則として土木工事で2次まで、建築工事で3次までに制限。新潟県は、特殊な技術が不要で地域の安全・安心の確保に関わる土木工事(地域保全型工事)は2次までにしていた。このほかに2団体が次数制限の導入を検討中、モデル工事を実施予定と回答した。
 長崎県は総合評価方式の入札で、建築工事は3次以内、建築以外の工事は2次以内にすることを誓約すると加点。京都府は自社施工率などを評価して加点する仕組みを導入していた。
 通常、元請業者には地域要件が設定されるが、下請業者にはない。「下請を2次までに制限すると県内業者に納まる」との見方もあり、管内の仕事は管内の業者が責任を持って取り組む体制を築くことにつながるという。
 国交省が10~12月に実施する施工体制の一斉点検に合わせて現場の施工体制点検に取り組む都道府県も多く、点検の頻度を増やしたり、下請工事の検査状況や下請への支払い状況を確認したりする団体もある。
 実質的に施工に携わらない企業を排除する取り組みも目立つ。受注者に契約時などに施工体制に関するチェックリストの提出を義務付けたり、工事の主要部分は自社施工することを原則に入札を公告したりしている。建設業者向けに、一括下請の禁止など建設業法の法令順守に関する説明会を実施する団体もある。
 国交省は実質的に施工しない企業を施工体制から排除するため、一括下請を禁止する法令順守の指導を徹底するとともに、実質的関与の判断基準を明確化して通知を出す予定だ。

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