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鉄筋アーティスト・戸塚昌利さん/現役鉄筋工の「ゴリラ像」、二科展入選  [2016年9月13日10面]

最新作のキリンと並ぶ戸塚さん

鉄筋で造られた「ゴリラ像」

 鉄筋作業で発生する鉄筋の端材で作成した「ゴリラ像」が第101回二科展で入選した。製作者で鉄筋アーティストの戸塚昌利さんは、静岡県藤枝市の成島鉄筋工業で働く鉄筋工。初出展で初入選を果たし、「これで胸を張って鉄筋アートをやっているとみんなに言えるようになった」と笑顔を見せる。
 鉄筋アートの製作を始めたのは4年前から。鋼板や針金などのアートを見て、鉄筋でも何かできないかなと思い、創作活動を始めた。「鉄筋屋は基本的に溶接はしないが、鉄筋をつなぐために溶接技術を学び、動物の写真やウルトラマンの人形などを見ながら、怪獣や動物を作ってみた。最初は上手に曲線が出せず苦労した」。
 入選した「ゴリラ像」は、鉄筋の端材を一つずつ曲げて溶接して形作る。鉄筋の端材は長さ10~30センチのものを使い、それを1000本以上つなげる。顔の部分は電気溶接で溶かして表情を出し、胴体部分はあえて鉄筋をつなぐだけにして、鉄筋でできていることが分かるようにした。
 昼間は鉄筋工として建設現場で働き、創作活動は主に夜。毎日夕食後3~4時間ほど自宅の作業場にこもり、1カ月程度かけて1体を作り上げる。「最近は動物の曲線美がうまく表現できるようになった。10体以上を製作したが、これまでは地元のイベントなどで展示するだけだった。アートして認められたのは本当にうれしい」という。
 二科展の受賞・入選作品は12日まで東京・六本木の新国立美術館で展示される。9月25日から東京・上野の東京都美術館で行われる文化庁主催の「流形展」にも「ゴリラ像」が展示される。会期は10月2日まで。

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