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国交省/社保加入、自治体工事も対策徹底/法定福利費未計上の団体名を公表へ  [2017年5月9日1面]

 国土交通省は8日、17年度に取り組む社会保険加入の追加対策を打ち出した。自治体発注工事に依然、未加入企業が存在しているとの指摘を踏まえ、工事への参加を加入業者に限定する対策を徹底。その一環で、加入原資となる法定福利費を積算に計上しない自治体を調査で把握し、団体名を公表する。民間工事では、受注の際に施工を加入企業に限定する誓約書の活用を検討する。=2面に関連記事
 12年度にスタートした社会保険未加入対策では、17年度に企業単位で許可業者の100%、労働者単位で製造業相当(9割)の加入を目標に設定。追加対策は、5年間の取り組み成果をより確実にするため、▽自治体発注工事での対策徹底▽民間発注工事での対策▽社会保険未加入企業への対策強化▽地域の優良な取り組みの推進▽周知・啓発の充実-の5本柱で構成する。
 4月以降、国交省直轄工事では2次以下を含め下請企業を加入業者に限定しており、都道府県や政令市の発注工事でもこれに準じた対策を徹底。市町村工事にも浸透させる方針だ。
 具体的な措置として、夏ごろに開く中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)で公共工事標準請負約款を改正し、元請に対して2次以下を含む下請を加入企業に限定する規定を設ける。
 公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく実態調査で、積算に法定福利費(事業主負担分)を計上しているかどうかを把握し、未計上の自治体名の公表にも踏み切る。未加入業者が価格競争上優位となってダンピング的な受注を行っている実態を改善するのが狙いだ。
 加えて、対策面で公共工事との温度差が指摘される民間工事を含め、標準契約約款(公共、民間、下請)の改正によって、法定福利費が発注者から元請を通じて下請企業にまで確実に行き渡るようにする。民間工事向けに、施工者を加入業者に限定する誓約書のひな形を国交省が作り、活用を促すことも検討する。
 このほか、建設業許可部局と社会保険部局の連携を強化することや、建設キャリアアップシステムを活用した加入確認方法も検討。都道府県単位の「社会保険加入推進会議」も順次設け、企業が社会保険加入に積極的に取り組むための行動基準を策定。基準を順守する企業を増やす活動を展開していく。
 17年度の取り組み方針(追加的な対策)は次の通り。
 〈1〉地方自治体発注工事での対策徹底
 △社会保険加入企業に限定する取り組みの推進
 △積算への法定福利費計上状況のフォローアップ
 △公共工事標準契約約款を改正し、元請に対し、下請を社会保険加入企業に限定する旨を規定
 〈2〉民間発注工事での対策
 △標準約款を改正し、請負代金内訳書への明示項目に法定福利費を追加
 △工事受注の際に施工を社会保険加入企業に限定する誓約書の活用
 〈3〉社会保険未加入企業への対策強化
 △建設業許可部局と社会保険等部局とのさらなる連携の強化
 △企業情報検索システムで許可業者の社会保険加入状況の「見える化」を実施
 △経営事項審査で社会保険未加入企業に対する減点の寄与の強化
 〈4〉地域の優良な取り組みの推進
 △都道府県ごとに、地域の特性に応じた社会保険の加入を推進する会議を設置し、地域でのきめ細かな取り組みを定着
 〈5〉周知・啓発等の充実
 △社会保険に関する相談窓口の充実、パンフレット・マニュアル等の充実
 △一人親方等が「適用除外」として下請に選定することが認められる場合についての確認項目の整理。

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