BIMのその先を目指して・22/樋口一希/BIMトータルサービス提供

2017年9月26日 トップニュース

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 トランスコスモス(東京都渋谷区)と子会社である応用技術(大阪市北区)では、オーダーメイドなBIMソリューションを提供し、建設業界のデジタルトランスフォーメーションを推進するBIMトータルサービス「to BIM」の提供を9月20日から始めた。

 □サードパーティーとしてBIM関連サービスを提供するサービス・プロバイダーも登場□

 BIMを取り巻く状況は「離陸し、巡航高度に達した」と比喩できるように、暫時、普及期を終え、現業面でどのような実利を甘受できるのかという段階に至りつつある。そのような状況下、今回の事例のように、BIMサービス・プロバイダーとも呼べるような業態が出現している。建設業の内部にあって主体としてBIMを運用するのではなく、サードパーティーとしてBIMに関連するさまざまなサービスを提供するものである。
 BIMトータルサービス「to BIM」は、「BIM導入サービス」「BIM活用サービス」「BPOサービス」「システム開発」「システム提供」の五つのサービス・カテゴリーから構成されており、BIM導入を開始する企業からBIM活用を推進したい企業まで幅広く支援する。
 「to BIM」の提供を通して我が国の建設業界のデジタル・トランスフォーメーションを喚起し、顧客の生産性向上に寄与するのが目的。すでに数社でパイロットプログラムが稼働しており、18年度に5億円以上の売り上げを目指している。

 □システム「導入」「活用」「開発」「提供」「BPO」からなるトータル・サービス提供□

 導入サービスでは、CAD/BIM/CIMのスムーズな運用を可能にするトレーニング・講習などと合わせてテンプレートやファミリ、BIM/CIM実行計画書など、BIMを効率的に運用するための標準化に関わる支援も行うのが特色。活用サービスでは、VR/AR/IoTなどの技術と連携し、トータルソリューションの効果を最大化するとともに、BIMに関連する各種データの管理手法やストレージ、クラウドなど目的に応じたデータ管理手法を提案する。
 システム開発では、オートデスクの提供するサービス・プラットフォーム「Autodesk FORGE」を活用したBIMクラウド環境の開発、「WebGL」などを組み合わせたBIM環境、「Dynamo」の活用など顧客の要望に応じたカスタムノードを提供する。
 システム提供では、オートデスク製品を中心としたライセンス提供とともに「Google Maps」「パノラマmemo」などBIM/CIMに関連するシステムを提供する。
 公式サイトから詳細なカタログがダウンロード可能で、10月からはBIM/CIMに必要なツールや情報などをWebで提供する予定とのこと。

 □「Digital Transformation」推進+オートデスクのビジネスパートナーとして「Connected BIM」提供□

 66年創業のトランスコスモスは、デジタル技術の活用で企業の変革を支援する「Global Digital Transformation Partner」として現在、アジアを中心に世界31カ国・174の拠点で、オペレーショナル・エクセレンスを追求している。応用技術は、トランスコスモスの子会社として「Digital Transformation」を推進するとともに、オートデスクのビジネスパートナーとして「Connected BIM」の提供を行っている。
 BIMトータルサービス「to BIM」公式サイト
 https://www.trans-cosmos.co.jp/special/bpo/tobim.html
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週火・木曜日掲載)