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前田道路/救急車の長距離搬送支援/スマホで路面状態監視、北海道で実証実験開始  [2017年10月25日1面]

 前田道路は、救急車の緊急搬送を支援する道路舗装の管理手法を構築する。救急車に搭載したスマートフォンで走行路面の状態を常時監視するモニタリングシステムを開発。円滑な搬送を阻害する箇所を特定し、路面の平たん性を確保する補修材や施工技術と組み合わせて安全走行を確保する。「いのちの道」づくりをサポートしようと、北海道の国道で実証実験を始めた。
 過疎化が進む地方部では、市町村をまたぐ長距離の救急搬送が珍しくない。例えば脳疾患の患者を救急車で搬送する場合、路面の舗装状態が悪いと振動が患者の負担になり、振動を抑えようと減速すれば、その分、搬送時間が延びるというジレンマを抱える。同社は、搬送する患者の容体に配慮した平たんな舗装を確保することが「5分でも10分でも搬送時間を短縮し、命を救うことに貢献できる」(技術部)と考えた。
 こうした課題の解決策を探るために同社は、国土交通省北海道開発局から提供された北海道の道東エリアのフィールドを使用し、北海道科学大学の亀山修一教授との共同研究に着手。中標津消防署の協力を得て、中標津町と釧路市を結ぶ国道272号で、救急車の走行に配慮した道路舗装の管理方法に関する実証実験を始めた。
 実証実験では、中標津消防署で長距離搬送を担当する救急車1台に乗り心地を常時モニタリングできる独自システムを組み込んだスマホを搭載。加速度の変化から道路の平たん性を示す国際ラフネス指数(IRI)などを計測し、段差や走行に影響を与える補修ポイントを割り出す効果を検証する。
 リアルタイムで把握する補修が必要な箇所の情報は、道路管理者や施工会社で共有。補修箇所の急速施工や平たん性の微調整などに適した同社の常温合材「マイルドパッチ」「スマートパッチ」などと組み合わせ、救急搬送に配慮した道路舗装の管理体制を作る。
 中標津町は、重篤な救急患者に対応する3次医療を約90キロ離れた釧路市に依存。昨年1年間で133件の搬送実績があり、今年は10月1日時点で112件と昨年を上回るペースで増えている。国道272号を使った救急車での搬送には約80分を要しており、患者の命を救うために少しでも時間を短縮することが求められているという。
 いのちの道をサポートする管理体制を構築することで同社は、全国で同様の課題を抱える地方部の救急医療を支える道路の包括管理につなげたい考えだ。

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