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所有者不明土地問題研究会/政策提言最終報告/相続登記の義務化を  [2017年12月14日2面]

 産学官の有識者らでつくる「所有者不明土地問題研究会」(座長・増田寛也東大公共政策大学院客員教授)は13日、所有者不明土地の解消に向けた政策提言の最終報告をまとめた。所有者不明土地が発生する大きな要因に死亡時の所有権移転が円滑に進んでいない実態を指摘。土地所有権の相続登記の義務化とともに、土地利用が困難な場合に所有権を手放せる仕組み作りなども提言した。
 研究会が定義する所有者不明土地は、不動産登記簿などの所有者台帳で所有者がすぐに判明しなかったり、判明しても所有者に連絡がつかなかったりする土地を指す。
 これまでの中間報告では、2040年に全国で所有者不明土地が北海道本島の面積(約780万ヘクタール)の9割超に当たる約720万ヘクタール(16年推計約410万ヘクタール)に達し、経済的損失が累計で約6兆円に上るとの試算をまとめている。経済的損失のうち、道路整備などの公共事業を行っていれば得られたはずの利益は約6900億円に上るという。
 今回の最終報告では、政府が優先的に取り組む所有者不明土地の円滑利用に主眼を置いた対策に加え、将来の抜本的な解消に向けた対策を提言した。
 所有者不明土地の解消に向けた対策では、土地所有権の登記が義務付けられていないことや、相続登記時に登録免許税が発生することなどを課題として指摘。税の減免などを通じ、登記の義務化を検討する必要性を訴えた。
 このほか、土地所有者が実際に遠く離れた場所で暮らしているケースなどを考慮し、土地の利用や管理が難しい場合には所有権を手放せる仕組み作りの検討も求めた。その際、手放した土地の利用を調整する公的な新組織を設置することも提言。そこでは国や地方自治体に土地の所有を打診し、所有の意向がない場合には希望者に売却するか、新組織が自前で活用するように努める仕組み作りも提言した。
 現在、政府は所有者不明土地の円滑利用を目的とする施策を盛り込んだ法案を来年の通常国会に提出する準備を進めている。具体的に都道府県知事の裁定で5年間以上の利用権を設定し、公園や広場などの整備を行えるようにする制度の創設を検討している。

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