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建機各社/ICT建機開発が加速/i-Con開始から3年目、制御システムの熟度向上  [2018年1月10日3面]

日立建機のICT油圧ショベル「ZX200X-6」(写真はイメージ)

 国内で建設現場の省人化や災害対応効率化への需要が高まる中、建設機械各社がICT(情報通信技術)の開発・実装を加速している。国土交通省が推進する生産性向上策「i-Construction」も開始から3年目となり、ICT対応建機や制御システムの熟度が向上。大手建設業によるICT施工への対応拡大を背景に、メーカー各社は関連技術・システムのブラッシュアップに注力している。
 「(2021年の)創立100周年に向けて仕事のやり方を変える。コンピューターを使った機体設計やAI(人工知能)などの世界での使い方を検討する」
 最大手コマツの大橋徹二社長は、創立100周年という節目を見据え、ICT事業の新たな展開に照準を合わせる。同社は、衛星利用測位システム(GPS)で建機の稼働を管理するコムトラックスや、生産工程を可視化するIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「ランドログ」などを展開。ICT建機や稼働管理システムをパッケージで提供する「スマートコンストラクション」を15年に市場投入した。
 大橋社長は昨年12月のインタビューで「建機利用者と供給側をIoTで結び付ける流れが18年以降、さらに加速する」と指摘。NTTドコモらと組んで昨秋に立ち上げたランドログを1月から全ユーザーに開放し、浸透を促す方針を明らかにした。
 大橋社長は「(ICT対応機種は)レンタルが主体であり、新車販売台数は気にしていない」とも述べ、プラットフォームの開発・普及を通じて収益確保を目指す姿勢を強調。昨年末に発表した米NVIDIAとの協業を足掛かりに、AIで地形図作成や現場の安全管理を効率化する手法の確立にも力を注ぐ。
 一方、キャタピラージャパンは一昨年から、施工生産性と燃料消費効率をそれぞれ3割程度高める先端技術のパッケージ「CAT CONNECT SOLUTIONS」を展開。油圧ショベルをはじめとするICT対応機種のシェアを着実に広げてきた。
 ハリー・コブラック代表取締役によると、同社のICT建機の販売実績は、昨年11月時点で「前年の2倍に増え、油圧ショベルの売り上げの1割以上がICT対応機種になった」という。コブラック代表取締役は、「日本のように国(国土交通省)がICT施工を先導している国は世界になく、市場はさらに伸びる余地がある」とも分析する。
 今後について「建機の自動化はまだまだ進められる」と語り、障害物自動検知・回避機能などの独自技術を磨き上げる考えを説く。
 日立建機もICT開発競争の先頭集団を走る。ICT・IoTで施工を一元管理・共有したり、建機の稼働を自動制御したりする独自のシステム「ソリューション・リンケージ」を開発し、昨秋に初の対応機種となる油圧ショベル「ZX200X-6」の国内レンタルを始めた。1月には国内販売も開始。18年度にはICT対応油圧ショベルを海外で展開する計画もある。
 平野耕太郎社長は昨年12月の会見で、「現地の代理店を通じてまずは欧州から対応機種を順次発売する」と明言。国内で培った技術と海外の販売網を武器に、欧州市場で攻勢を掛ける計画だ。

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