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新社長/大林組・蓮輪賢治氏/事業領域拡大し成長維持  [2018年3月1日1面]

蓮輪賢治氏

 国内市場の縮小を見越して事業領域の拡大に取り組み、経営基盤を強固にすることが命題だ。「受け継ぐバトンはこの上なく重く、身の引き締まる思いだ。リーダーシップを発揮し、大林組のさらなる成長に果敢に挑戦していきたい」と抱負を語る。
 --新体制の狙いは。
 「本社の各本部長や13拠点のうち10本支店のトップを代えた。私が先頭になり、リニア中央新幹線の入札を巡る問題の真相究明とコンプライアンス(法令順守)体制の再整備を行う。あらゆる事業運営で、コンプライアンスを最優先する経営を強固に推進し、顧客、株主をはじめとするあらゆるステークホルダーからの信頼を取り戻したい」
 --『中期経営計画2017』(17~21年度)が進行中だ。
 「中期経営計画にしっかりと軸足を置きながら、着実な事業展開を目指す。事業領域の拡大を目指すには、現在の経営基盤の制度・構造は曲がり角にきている。そこに柔軟性と多様性が必要になる。投資家は財務的な数字だけでなく、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みを重視するようになっている。専門チームでESGの具体的な指標などについてとりまとめの作業中だ。社内外に示すことができるようにしたい」
 --足元の事業環境は。
 「非常に繁忙で当社の施工能力はフル稼働が続く。特に首都圏の開発事業は旺盛だ。2020年東京五輪まででなく、ここ5年くらいは業界全体で現況と大きく変わらない仕事量があるだろう。技能労働者の確保・育成が喫緊の課題だ。協力会社組織の林友会とともに支援する。海外事業は、これまでと大きくかじ取りを変えることはない」
 --事業領域の拡大をどう進める。
 「既に取り組んでいる再生可能エネルギーによる発電事業、農業や、今後の普及が予想される水素や電気自動車(EV)関連をビジネスチャンスと捉え、どういったビジネスモデルを構築できるかを慎重に検討していく。異業種との連携やM&A(企業合併・買収)も選択肢の一つに捉え、果敢に挑戦する」
 --海外で新たな取り組みを見据える。
 「いつまでも国内で建設事業が拡大することはあり得ない。海外で建設事業以外も積極展開したい。開発事業もその一つだ。タイ大林などは、開発案件への取り組みが身近になってくる。地熱エネルギー利用の水素製造に関する共同研究をニュージーランドの企業と進めるように、新領域事業でも海外との連携が欠かせない。各領域のプロの中途採用も始めている。拙速にやるつもりはないが、変革するのに遅くない時期だ」。(3月1日就任)
 (はすわ・けんじ)1977年阪大工学部土木工学科卒、大林組入社。2010年執行役員東京本店土木事業部担任副事業部長、12年常務執行役員などを経て、16年取締役兼専務執行役員テクノ事業創成本部長。大阪府出身、64歳。腰痛の改善を目的に40歳過ぎから始めたウオーキングを毎日欠かさない。座右の銘は禅の「平常心是道」。

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