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建設コンサル大手/WLB実現への取り組み展開/独自制度で他社と差別化も  [2018年3月2日3面]

 大手建設コンサルタント各社が、社員のワーク・ライフ・バランス(WLB=仕事と家庭の調和)の実現に向け、職場環境の改善に本腰を入れている。社長直轄の改革チームやパソコンスキル向上研修、週ごとの残業モニタリングなど各社独自の取り組みも広がっている。働きやすい制度をそろえて他社との差別化を図り、不足する人材の確保や社員の定着率の引き上げにつなげる狙いだ。
 日刊建設工業新聞社が行った「採用・人材戦略に関するアンケート」によると、主要14社のすべてが勤務地を限定する働き方を選択できる制度を17年度中に導入した。建設技術研究所は勤務地限定だけにとどまらず、働く時間・職務を限定する社員の制度を導入。大日本コンサルタントも4月から時間・職務限定制度を導入する予定。オリエンタルコンサルタンツは分野選択制度を併用している。
 各社に広がりつつあるのがICT(情報通信技術)を活用し、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を支援するテレワーク制度の導入だ。テレワークは主に自宅でモバイルパソコンを使って働く在宅勤務、モバイルワーク、小型事務所を利用するサテライトオフィスなどの形態がある。
 在宅勤務は日本工営、建設技術研究所、オリエンタルコンサルタンツ、応用地質などが導入。パシフィックコンサルタンツも試行している。モバイルワークは応用地質、八千代エンジニヤリングが導入し、パシフィックコンサルタンツが試行中。応用地質はオフィスでも外出先でもスマートフォンで内線通話を利用できる体制も整えた。サテライトオフィスは日本工営が導入。建設技術研究所は18年中に体制を整える。
 親の介護や育児など多様な働き方に対応するための時短勤務(オオバ)や出社時間選択制(パシフィックコンサルタンツ)、時間単位で休暇を取得できる時間年休制(オリエンタルコンサルタンツ、応用地質)を運用する企業も出ている。日本工営、長大、大日本コンサルタント、オオバは育児休暇制度を拡充した。
 長時間労働の解消に向けた独自の取り組みも目立つ。パシフィックコンサルタンツは長時間労働抑制のための部門活動を表彰。日本工営も同様のWLB表彰を行っている。パシフィックコンサルタンツは年間残業と有給休暇の計画シート作成や週ごとの残業モニタリング、WLB推進を人事評価の対象とする取り組みを展開する。エイト日本技術開発は7月1日~9月30日を「WLB月間」に位置付け、夏季休暇の完全取得と有給休暇取得の奨励を実施している。長大は定年退職(60歳)後の雇用延長で退職前の給与と同額を支払う新制度を導入し、人材を確保する。業務の効率化を図り、一定の残業時間内に抑えた場合に支給する「生産効率向上手当」も新設した。
 応用地質はタイムマネジメントやパソコンスキル向上のための研修を企画。アジア航測は本社にWLB推進室、主要拠点には働き方改革チームを設置し、働き方改革を推進。長大は働き方相談窓口を新設した。
 会社全体で職場環境を改善する試みも増えている。八千代エンジニヤリングは取締役を含む働き方改革ワーキングで施策を検討。社員意見箱の設置による要望も集めている。大日本コンサルタントは社長直轄の働き方改革推進部を設置し、効果的な施策の検討を進める一方、モデル支社を通じて各種施策の効果を検証中だ。従業員対話会(日本工営)や、労使による働き方改革のための協議会(日水コン)なども出てきた。

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