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竹中工務店/つり下げ式手術エリア免震システム開発/震災後の医療継続が可能に  [2018年3月9日3面]

手術エリア免震システムの構造

 竹中工務店は、病院向けの新しい免震技術を開発した。天井内蔵型の免震装置を使って手術エリア全体を構造躯体からつり下げる。手術室だけでなく、手術ロビーや医療器具などを置く器材室(中央材料室)を含めたエリアが、一体的に免震できる。医療機器の転倒や破損を防ぎ、地震直後の手術も可能になる。建物全体を免震化した場合よりコストが低く抑えられるといったメリットもある。
 「手術エリア免震システム」で使用する免震装置は、天井内のスペースを活用して設置する。手術エリア全体をつり下げることで手術室などに伝わる揺れを大幅に低減する。震災発生時は手術が中断されるが、震災直後からの医療継続が可能になる。既存建物を改修して免震化する場合、天井高3メートル程度、階高4・6メートル程度から設置が可能という。
 これまで手術室などを免震化するには、建物全体の免震化か、部屋の床だけを免震化する方法が一般的だった。二つのうち比較的コストが低いのは床免震。だが床免震では手術室として機能させる上で複数の課題があった。
 床免震は地震発生時に壁や天井が床と異なる揺れ方をするため、医療器材が壁にぶつかって転倒しないよう医療器材を壁から離す必要があった。一般的な手術室だと部屋面積の20%が活用できなくなっていた。構造上壁と床の間に隙間が生じるため、手術室に必要な室内の清浄度や気密性の確保が困難という課題もあった。
 同システムは部屋全体を免震化するため、部屋の揺れ幅を考慮せず外周部に医療器材を置き、スペース全体が活用できる。壁と床の間に隙間を設ける必要もなく、清浄度や気密性の確保も可能となる。
 導入対象の病院は全体の約7割を占める、延べ床面積1万2000~1万3000平方メートル程度の中規模施設を想定。将来的には建物の一部だけを最優先で免震化する必要がある、研究施設や最先端機器の製造施設などへの導入も検討する。

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