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太平洋セメント/大船渡工場(岩手県)にバイオマス発電所建設/20年1月稼働へ  [2018年5月14日3面]

バイオマス発電所が建設される大船渡工場

 太平洋セメントはバイオマス発電や貴金属リサイクルなど新たな事業に乗り出す。セメントの内需が長期的に縮小傾向をたどる中、多様な分野に分散投資し収益の安定確保を図る。発電事業では大船渡工場(岩手県大船渡市)に国内最大規模となる出力75メガワットのプラントを建設し、2020年1月から電力供給事業を始める。事業開始後、21年3月までに約80億円の売り上げを確保する目標だ。
 不死原正文社長は11日に本社で記者会見し、今後の事業方針を明らかにした。長期的な内需の減少に加え、人手不足や建築工法の変化などが足かせとなり、セメント事業は国内での利益確保が困難になりつつあると説明。セメントの製造・販売だけにとらわれない多様な事業展開の必要性を強調した。
 新たな収益基盤を築く取り組みの一環として、同社は10日に公表した3カ年の新中期経営計画(18~20年度)で、環境事業や資源事業などに重点投資する方針を打ち出した。貴金属リサイクル事業は今春から、都市ごみの焼却灰に含まれる貴金属の回収技術を確立するための実証試験に着手した。1年程度で技術を実用化し、事業化を目指す考えだ。
 20年1月からは新電力大手イーレックスと大船渡工場でバイオマス発電事業を始める。国内最大規模となる出力75メガワットのプラントを敷地内に建設し、電力卸供給事業を展開する。年間発電量は約48万メガワット時。発電・売電の開始期間は20年を予定する。総事業費は235億円。
 バイオマスプラントには発電設備として循環流動層ボイラー、再熱式蒸気タービンを採用。両社が16年に立ち上げた「大船渡発電」が事業運営を担う。プラントはEPC(設計・調達・建設)でJFEエンジニアリングに発注した。
 中期経営計画には、国内セメント需要の減少を見据え、コスト削減や財務体質改善、成長分野への投資を加速する方針を明記。21年3月期に連結ベースで売上高9500億円以上(18年3月期実績8711億円)、営業利益850億円以上(651億円)、自己資本利益率(ROE)10%以上を達成する目標を掲げた。
 売り上げ目標のうち、貴金属リサイクルなどの「環境事業」は、17年度実績の902億円から1110億円、バイオマス発電を含む「その他事業」は790億円から950億円に拡大する。

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