建設リサイクル

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

建設リサイクル・中/再生砕石普及へ都が支援制度/民間基準に信用付与  [2018年4月18日]

都が認証した再生砕石「粋なえこ石」。路盤材のほか浸透トレンチ材、グラベルコンパクション材、裏込め材の計4種類がある

 解体した建築物などから出るコンクリート塊のリサイクルを巡っては、過去に石綿が砕石に混入する問題も表面化した。建設業、廃棄物処理業など関係業界の信頼性が問われ、東京建物解体協会の小林明理事は「問題を受け、コンクリート塊を利用した再生砕石の使用が敬遠された」と当時を振り返る。

 2010年に羽田空港D滑走路の建設が完了し、再生砕石の品質管理に加え、受け皿の確保も課題となった。「14年に消費税率が8%に引き上げれたことも流通に大きな影響を与えた」と小林理事。そこで同協会と東京都産業廃棄物協会、東京建設業協会(東建)の3団体は、再生砕石で独自の品質基準(東京ブランド粋なえこ石)を策定。昨年10月には、その基準が都の土木材料仕様書などと比較して優位性があると、「再生砕石利用拡大支援制度」(昨年5月創設)に基づき認証された。
 再生砕石は道路路盤材などとして使われることが多く、公共発注機関での利用が普及の鍵を握る。都環境局資源循環推進部産業廃棄物対策課の当時の担当者は「団体側の動向を知り、業界の単なる自主基準とみられて埋没しないよう、都が審査し信用を与える支援制度を構築した」と話す。
 3団体の再生砕石問題ワーキンググループ(WG)によると、土壌汚染対策法に基づく環境基準では再生砕石を細かく砕き、溶質してから数値を測定する。ただ通常、砕石は砕かずに使用される。
 WG座長を務めた鹿島東京土木支店の永井文男安全環境部環境管理グループグループ長は昨年の認証式で、「支援制度で認証された3団体の品質基準は、砕石をそのままの形で分析する手法を適用したのが最大の特徴だ」とメリットを説明した。
 製造の際は、コンクリート塊の出どころや品質などを解体工事現場で事前に確認・記録しておくことが欠かせない。管理体制の確立は3団体の自助努力となる。
 支援制度の運用期限は20年度末。都はその間に製造・出荷で一定の成果を出し、建設リサイクルを次のステップへ発展させたい考えを示す。
 支援制度に基づき認証された製造工場は3月時点で1カ所にとどまる。どれだけ優れた性能を持った製品でも、調達先が限定されると公平性との兼ね合いから、公共事業では使用の特定が難しい。建設業界で、時に技術開発のスピードと現場の需要が合致しない要因の一つだ。
 再生砕石自体は価格面で優位性があるわけでもない。普及に向けた入り口として、処理業者側からは「発注者が施工者に対しインセンティブを与える取り組みが必要だ」との声が上がる。
 こうした実情を加味し、都は環境物品等調達方針で示す建設資材などを施工者が自主使用した際、完工後の工事成績評定で加点措置する条件を明文化。支援制度で認証した再生砕石の自主使用が加点対象となる方針も明確にした。
 製造施設の所有者からすれば建設会社の引き合いがあっても、工場が複数認証され供給が需要を喚起する状況が見通せなければ、本格稼働に踏み切れないとの判断もある。第1号の製造工場が認証された成友興業(東京都あきる野市)の細沼順人社長は、「支援制度に関心がある他社と意見交換を重ねている。18年度は新たに4~5社程度が施設認証を申請する見通しだ」と話している。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。