論説・コラム

回転窓/災前と災後 [2015年1月19日1面]

 「災前」「災後」という言葉があるのかどうか分からないが、建設業界ほど災前・災後で変わる業界はないだろう▼例えば耐震性の基準。建物の耐震設計基準はご存じの通り、1923年の関東大震災を契機に初制定され、その以降地震災害が起こるたびに見直されてきた。68年の十勝沖地震後には鉄筋コンクリートの帯筋の基準が強化され、78年の宮城県沖地震後の81年には新耐震設計法が制定された。これが「新耐震」と呼ばれるも...続きを読む

回転窓/宿命に抗する使命 [2015年1月16日1面]

 行きつけの書店で書籍検索システムをよく利用する。タッチパネルにキーワードを入力すれば探したい本を検索できる便利なシステム。先日、あるワードを検索してみて驚いた▼入力したのは「阪神大震災」。検索すると、画面には多くの書籍タイトルが表示された。ところがほとんどは「在庫×」。10年以上前に発刊されたものが大半だとしても、災害の記憶を風化させないことがいかに難しいかを再認識させられるようであった▼あす1...続きを読む

回転窓/人口維持は実現するか [2015年1月15日1面]

 「成人の日」の12日、各地で新成人を祝う式典が行われた。日本では20歳になると選挙権が与えられ、飲酒や喫煙が認められるほか、国民年金への加入が義務付けられる。成人式は、保護されていた未成年者という立場から、社会で独り立ちするための通過儀礼といえる▼昨年1年間に新成人になった人は126万人。前年に比べて5万人増と21年ぶりに増えたという。1971~74年生まれの第2次ベビーブーム世代を親に持つ人が...続きを読む

回転窓/ミスを見つける技術 [2015年1月14日1面]

 昨年暮れから、加工食品に異物が混入していたとの消費者の指摘が相次いでいる。先日は、大手ファストフード店が販売する商品から人の歯や鉄くずなどの異物が見つかった▼東京都福祉保健局が食品製造業に行った調査(12年度)によると、異物混入に関する消費者からの苦情は681件。だが、これらは氷山の一角で、問題が発覚しても客と企業の話し合いで解決し、表面化しなかったものもあるといわれる▼食べ物は人の口に入るもの...続きを読む

回転窓/けん玉とグローバル社会 [2015年1月13日1面]

 かつて、お正月の男の子の遊びといえば、こま回しにたこ揚げだった。近所の駄菓子屋で買った木製のこまや紙製のやっこだこで夢中になって遊んだものだ▼同様に日本古来の玩具であるけん玉が世界的ブームという。昨年7月には、けん玉発祥の地である広島県廿日市市でワールドカップが開かれ、世界11カ国からの約100人が技を競った▼けん玉は07年ごろにストリートカルチャーとして米国で広まった。そのスタイルは、音楽に乗...続きを読む

回転窓/中堅・中小も海外へ [2015年1月9日1面]

 「われわれの施策、取り組みに対して厳しいご指摘をいただくことが少なくない。しかし今回は本当に喜んでくれました」。いつも取材している国土交通省の幹部がうれしそうに話した▼「今回」とは、昨年12月に実施したベトナムへの企業訪問団。中堅・中小の建設会社を募り、現地の現場や企業を訪ねるという取り組みを通じて、海外進出への足掛かりをつくってもらおうと企画した▼幹部が現地で参加メンバーと懇談した際、「参加し...続きを読む

回転窓/ロボットの進化に期待 [2015年1月8日1面]

 表情や声から感情を察知する人型ロボット「Pepper」が来月発売されるという。「世界初、人に寄り添うロボット」という触れ込みだ▼価格は20万円弱(税抜き)というから、一般家庭でも購入が可能。「ロボットが一般家庭に浸透していく記念すべき年となる」。発売元のソフトバンクグループの孫正義代表は年頭所感でそう言っている▼幼いころ、スマートフォンとの会話など想像もしていなかったが、あっという間に日常化した...続きを読む

回転窓/「狩りガール」登場 [2015年1月7日1面]

 「草食系男子」あるいは「肉食系女子」などといった呼び方をこのところよく聞くが、これは文字通りの肉食系女子といえるかもしれない。「狩りガール」▼狩猟をする若い女性を最近そう呼ぶらしい。職業でも趣味でも狩猟といえば昔から男の世界。マタギには「女人禁制」の掟(おきて)もある。そんな中への女性進出はやはり時代の流れだろうか▼環境省の集計によると、1975年に52万人近くいた狩猟免許保持者は2011年には...続きを読む

回転窓/正月返上で頑張った人へ [2015年1月6日1面]

 年末年始の休暇を終え、きのうが仕事始めという方が多かっただろう▼年末、たまっていた仕事を自宅に持ち帰り、休暇中にしっかり片付けようと思っていたが、案の定、かばんを一度も開けることなく新年を迎えた。毎年同じことを繰り返す情けないわが身に、「そうそう」とうなずいて下さる読者も少なくないはず、と自らを慰める▼この年末年始は日本海側を中心に各地で大雪に見舞われた。登山での遭難や事故のニュースも毎日のよう...続きを読む

回転窓/「忙」の1年にこそ [2015年1月5日1面]

 〈復興の魁は料理にあり 滋養第一の料理ははち巻にある〉。水上滝太郎の小説『銀座復興』にそんな一節がある。関東大震災で焼け野原となった東京・銀座に、初めて明かりを灯したトタン小屋の飲み屋「はち巻」が掲げた張り紙である▼小説は、店の客たちの人間模様を交え、復興へと歩み始める街の様子を描いている。昭和初めの作品だが、東日本大震災後に岩波書店から復刻出版された▼今年は終戦から70年、阪神大震災から20年...続きを読む

回転窓/怒涛の年末年始 [2014年12月26日1面]

 この年末年始、暦の関係で多くの企業はきょう26日が仕事納め、年明け5日が仕事始めとなる。例年より少し長い休暇を、帰省先や自宅で過ごす人もいれば、一気に海外へという方もおられよう▼一方、「あすから休暇」とは言っていられないのが、東京・永田町の国会周辺や霞が関の官庁街である。14日の衆院選を経て24日に第3次安倍内閣が発足した。閣僚は1人を除いて第2次改造内閣の顔触れが再任されたが、選挙期間中の空白...続きを読む

回転窓/災害列島2014 [2014年12月25日1面]

 今年を表す漢字は「災」。日本気象協会の気象予報士が選んだものだ。理由はもちろん頻発した自然災害。台風8号や11号が来襲し、台風では初めての特別警報も発令された▼8月豪雨では広島市に大規模土砂災害が発生した。今夏の西日本は記録的な多雨と日照不足に。「記録的」という表現が連発されるのも、このところの傾向といってよいだろう▼豪雨だけではない。御嶽山では、行楽日和のお昼時という最悪のタイミングで噴火が起...続きを読む

回転窓/キーワードは「人」 [2014年12月24日1面]

 12月に入って、年明けの紙面に掲載する各企業の社長インタビューの取材に追われている。各社の経営方針や戦略などをトップの口から直接聞けるのは、企業取材を担当する記者の醍醐味(だいごみ)の一つ。この仕事を始めて20年になるが、社長取材はいまだに緊張する▼この1カ月で30人前後の社長に話を聞いたが、多くの方に共通するのは、足元も先行きも、決して楽観はできないという認識。建設需要の増加を追い風に各社の業...続きを読む

回転窓/暴飲暴食にご注意を [2014年12月22日1面]

 「食卓の情景」「むかしの味」「旅でみつけたうまいもの」…。池波正太郎氏の食べ物本を読むと、いつも食欲が湧いてくる▼ラーメンや天ぷら、カレーライス、おでんなどごく平凡な食べ物を取り上げているのだが、読後に同じものを食べたくなる。書かれている店名をひそかに手帳に記し、いつかチャンスがあれば行ってみようと思うのだが、実現したためしはない▼独文学者の池内紀氏は、池波氏の食べ物本を「食通以上に、さりげない...続きを読む

回転窓/無線LAN付き災害対応型自販機 [2014年12月19日1面]

 日本に来た外国人が驚くことの一つに自動販売機の多さがあるそうだ。空港、電車のホーム、沿道など至るところに自販機が並んでいる状況は日本人でも感心することがある▼日本自動販売機工業会の調べによると、国内の自販機の数は509万台(13年末時点)。人口や国土面積を勘案した普及率では日本が世界一という。509万台の半分は飲料用らしいが、最近は扱われる商品も菓子類やパンなど多様化している▼東日本大震災後に注...続きを読む