△4月に消費税(3%)導入。価格転嫁が課題に
△建設市場開放を求める米国が談合を問題視
△補正予算で初めてゼロ国債を平準化に活用
平成最初の1月9日の紙面は「天皇陛下崩御」「皇太子殿下が即位」「新元号は平成」の見出しで新たな時代の幕開けを報じた。昭和天皇の崩御に当時の行政や業界トップが「お悔やみの言葉」を寄せ、建設省(現国土交通省)は、7~12日の服喪期間に直轄工事の起工・竣工式を中止した。
同年最大のトピックは4月からの消費税の導入だ。建設工事でも円滑かつ適正な価格転嫁が行われるよう、モノやサービスに初めて課せられる3%の税率の扱いを巡り、行政、業界が対応に奔走した。
建設投資が1989年度に初の70兆円を突破した建設業界では、労働者不足も大きな課題に。若者の建設離れを食い止めようと官民で建設業のイメージアップを図ろうという取り組みが始まったのもこの時期だった。外国人の不法就労も社会問題となっていた。
人手不足に起因する公共工事の入札不調が首都圏の建築工事などで相次ぎ、単価見直しなどの対応が取られた。端境期とピーク時で工事量に2倍の格差がある実態を改善したい業界の強い要望を受け、政府が89年度補正予算で初めて、平準化を目的とするゼロ国債を計上した。
日本の建設市場開放を求める米国が談合の存在を指摘し、対応を迫ったのもこの年だった。
国際建築家連合(UIA)公認の本格的な国際コンペとなった旧都庁跡の東京国際フォーラム設計競技では、ラファエル・ヴィニオリ氏(米)を最優秀に選出。