紙面で振り返る平成の歩み・11/平成11(1999)年

2019年2月20日 トップニュース

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 △国内の公共工事初の「総合評価方式」で受注者選定
 △建設省が建設産業再生プログラムで経営革新促す
 △ゼネコンがインターネットで専門工事会社を公募
 建設省(現国土交通省)が7月に策定した「建設産業再生プログラム」は、大手ゼネコンの企業戦略の方向性として「経営組織の革新と連携の強化」を打ち出し、行政もその方向を後押しする施策を整理した。
 このタイミングに合わせるように、日東建設と経営再建中の大都工業が合併。10月1日に日東大都工業(現みらい建設工業)となった。準大手の西松建設と戸田建設が技術開発や資機材利用で業務提携することも発表された。ゼネコンの財務リストラも進行した。インターネットを利用し、資機材調達や専門工事業者を公募する動きが相次いだことも報じられた。
 公共工事では、関東地方建設局(現関東地方整備局)が初となる総合評価方式を採用した入札を実施。落札業者による施工現場の状況も伝えられた。
 建設省が運輸省(現国交省)、農水省と設置した発注者責任懇談会が4月にまとめた報告書では、予定価格の上限拘束性を緩和するなど会計法令を含む制度見直しを提言。発注者と業者が価格や技術を交渉して契約を結ぶ「交渉方式」導入にも踏み込む内容だった。
 ニュータウン開発や分譲住宅の供給を手掛けた住宅・都市整備公団は都市基盤整備公団(現都市再生機構)となり、年末には2001年1月発足の国交省の全容も明らかとなった。
 山陽新幹線のトンネルで起きたコンクリートはく落事故で、コンクリート構造物に対する信頼が揺らぐなどの事象も生じた。